最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「脳トレ漢字」第9回目は、体の異変を表す漢字、「吃逆」をご紹介します。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

■「吃逆」は、なんと読む?

「吃逆」は体の異変を表す熟語であり、「吃逆」が起こると煩わしい思いをします。読み方に心当たりはありますか? 「吃逆」を止めるための民間療法は様々流布されているのですが…。

正解は…
「しゃっくり」です。

「きつぎゃく」とも読みます。『小学館デジタル大辞泉』では、「横隔膜の痙攣(けいれん)により、急に空気が吸い込まれ声門が開いて音を発する現象。ほぼ一定の間隔で繰り返し起こるが、自然に治る場合が多い」と説明されています。続いて「吃逆」の由来についてご説明をいたしましょう。

■吃逆の由来とは?

「吃逆」はなぜ、「しゃっくり」と呼ぶようになったのでしょうか? 由来をご説明いたします。

平安中期の漢和辞書『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)によると、「くり抜く、しゃくり上げる」という意味を持つ、「噦り(さくり)」が転じて「しゃくり」→「しゃっくり」と音が変化しました。
「吃逆」をすると、まるでお腹がくり抜かれた感じがすることから、平安時代の人は「さくり」と名付けました。そう表現した気持ちには、共感いたしますね。

現在では、「しゃっくり」という読み方が一般的ですが、今でも「しゃくり」「さくり」という表現も誤りではありません。

■他にもある、体の異変を表す難読漢字「肉刺」

「吃逆」の他にも体の異変を表す漢字は、難読漢字が多く存在します。ここでは、「吃逆」に加えて、「肉刺」をご紹介しましょう。

『小学館デジタル大辞泉』では、「かたいものとこすれたため、手足などの皮膚にできる豆のような水ぶくれ」と説明されています。「肉を刺す」、なかなかに恐い表記ですが、読み方に心当たりはありますか?

正解は…「まめ」です。確かに「肉刺」ができると、肉を刺すような痛みが走りますね。

***

いかがでしたか? 今回の「吃逆」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「肉刺」も含めて、普段ひらがなで表記しがちな言葉も、意識的に漢字で書くことで脳のトレーニングとなることと思います。

来週もお楽しみに。

文/京都メディアライン
HP:http://kyotomedialine.com
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