我が子と一緒に酒を飲むことを、楽しみにしている方も多いことでしょう。しかし、藪から棒に「おい飲みに行こう!」と誘ってみても、「ついて来そうもないしなぁ」なんて思っていませんか? 子供と同じ世代のお酒事情を把握しておくと誘いやすくなるのではないでしょうか? 株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)』が、around20 (20歳前後)男女を対象に、「お酒や飲み会」に関する調査を行いました。その調査内容をご紹介いたしますので、“我が子との飲み会企画”の参考にしてください。
■女子は同性でサシ飲み、男子は同性でグループ飲みと一人飲み
まずaround20がお酒を飲むシーンについて聞いてみたところ、最も多いのは「友人との飲み会(47.3%)」、次いで「自宅で一人(28.5%)」「自宅で家族と(24.5%)」という結果となっています。男女で比較すると女子は「女子会(37.3%)」、男子は「自宅で一人(32.7%)」や「仕事・学校終わり(25.3%)」が特徴的であることが分かりました。
次いで、「あなたは誰とお酒を飲むことが多いですか?」の質問に対しては、最も多い回答は「同性の友人(53.0%)」、次いで「ひとり(37.6%)」、「男女グループ(26.6%)」という結果となりました。男女別に見てみると、女子は「同性の友人(56.8%)」や「家族(27.8%)」男子は「ひとり(46.7%)」の数値が特徴的でした。
またお酒を飲む席での人数については、女子は「2名(33.8%)」、男子は「4名(32.8%)」が最も多い結果となりました。この結果から、男女の飲み方の違いが分かってきます。女子は同性同士少人数で飲み、男子は同性同士で飲む際は大人数でわいわい飲む傾向があるようです。ひとりで飲むシーンについてグループインタビューで聞いてみたところ、自宅で動画や映画を見ながら、ゆっくり時間を過ごすときにお酒を飲むという声が多くありました。
■家飲みは1か月に1回、外飲みは2~3か月に1回程度。外飲みはフードとお酒の充実度を重視!
ここからは、「家飲み(自宅での飲酒)」「外飲み(お店・野外での飲酒)」、お酒を飲む場所による意識や実態を解説します。飲酒の頻度について聞いてみたところ、「家飲み・外飲みはしない」が最も多いですが、「家飲み」は「1ヶ月に2~3回程度(15.0%)」、「外飲み」は「2~3ヶ月に1回程度(17.5%)」、場所によらず飲酒の頻度が少ないことが分かりました。
月々のお酒を飲むために使う金額について聞いてみたところ、「家飲み」は「~3,000円未満(78.5%)」が最も多く、「外飲み」は「3,000円~5,000円未満(36.7%)」という結果となりました。
また「家飲み」のために購入するお酒を選ぶ際の重視点について聞いてみたところ、最も多いのは「味(63.6%)」次いで「価格(51.6%)」「アルコール度数(37.8%)」という結果となりました。女子は「限定品・期間限定品(21.9%)」「カロリー(14.4%)」、男子は「ブランド・メーカー(28.5%)」の数値が全体と比較して高い傾向にあります。
「アルコール度数」について、グループインタビューでは「自宅で友人を招いて飲むときは、長くゆっくり飲みたいので、アルコール度数が低いものを選ぶ」「一人で飲み、酔っぱらいたい時はアルコール度数が高いものを選ぶ」という声が聞かれており、時と場合に合わせて、アルコール度数を意識し変えていることが分かります。
また、「外飲み」の際に選ぶお店の重視点については、第1位「価格が安い(62.6%)」、第2位「フードが充実している(40.8%)」、第3位「お酒の種類が充実している(36.7%)」という結果となり、女子は「アクセスしやすい(40.4%)」、男子は「大人数で楽しめる座席がある(23.2%)」の数値が特徴的です。
グループインタビューでは、「お酒の種類」について「そのお店にしかないお酒があれば頼みたくなる」「大人数で行く場合、人それぞれ飲みたいお酒が違うのでなるべく種類が多いお店を選ぶ」という声が多く聞かれました。
■「オンライン飲み」は少人数で仲の良い友人と。限りなく“オフ”に近い自分で参加!
自粛期間中にトレンドとなった「オンライン飲み」についての実態は、どのようなものだったのでしょうか。外出自粛期間中のオンライン飲み会の頻度について聞いてみたところ、「オンライン飲み会はしていない」が45.1%、「1か月に1回程度」と回答した人が14.7%という結果となり、開催した人でも月に1回程度の開催が最多という結果となりました。
グループインタビューで聞いてみたところ、オンライン飲み会の相手は特に仲の良い友人と2~3人など特定かつ少人数で開催している人が多く、「気心が知れていて、用事がなくても誘いやすい友達とだけオンライン飲み会をした」「オンラインだと話すタイミングが被らないように気を使ったりするので、気を使わないでいられる友達でないとためらいがある」という声が聞かれました。
また、本当に仲の良い友達としか開催されないオンライン飲み会ということもあり、女子は“すっぴん”に眼鏡、部屋着でリップだけをつける等「オフの自分」で参加するが基本スタイルのようです。
今後の飲酒スタイルについても「お店で飲みたい(54.2 %)」が最も多く、「自宅でオンラインで飲みたい」については7.2%となり、グループインタビューでも「オンライン飲みはオフライン飲みの代わりにやっているので、お店で飲めるようになるのであればそちらに戻りたい」「自宅だと美味しいおつまみが食べられないから、お店に行きたい」と、あくまでもまだ非日常の飲み方であることが分かります。
今後お店で飲む際には、「窓があり、換気がされているお店」や「●分に1回アルコール除菌をしている等のお知らせが掲示されているお店」等、店舗の「衛生管理」も更に重視するという声が多く聞かれました。
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今回の調査から見える子供世代(around20)にとっての「お酒」は、「打ち解ける手段」から、「気心の知れた友達だけで楽しむ時間のおとも」へと位置付けが変化しているようです。彼らにとっては、「充実した時間や空間を、友達と共有すること」が大切ということなのでしょうね。こうした子供世代のお酒に対する考え方を尊重するなら、我が子がある程度の年齢なると、日頃から親子という関係よりも「気心の知れた古い友達」という感覚を養う必要があるのではないでしょうか? でなければ、我が子と打ち解けて一緒に酒を飲む機会は望めないかもしれませんよ。
▷アンケート調査概要
①WEB調査
調査期間:2020年6月
対象者条件:20~24歳 男女 大学生
有効回答数:N=400(男女各200)
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
調査期間:2020年6月
対象者条件:お酒を飲む大学生
人数:各グループ5名×3グループ
▷調査実施・分析機関
SHIBUYA109 lab.
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する新しい世代に特化した若者調査機関。