観光列車名の検索数、年間ベスト10|「しまかぜ」が不動の1位。「SL銀河」の躍進により、SLの割合が増える!
夏真っ盛り! 旅行の機会も多いことでしょう。今回は、阪急交通社が、旅行サイト(https://www.hankyu-travel.com/)でのサイト内検索において、どれだけ観光列車名が検索されたかを集計。上位となった10列車をランキング形式で、各観光列車の概要説明と共に発表します。

* * *

ようやく各地の梅雨明けが発表され、夏の観光シーズンが本格的にやってきました。全国各所へ旅行される際には、観光列車の利用もぜひ検討してみてください。

阪急交通社では観光列車の検索数ランキングを例年公開しており、今回も最新の結果を紹介いたします。

特別な列車に乗って、車窓から見る景色を楽しみ、おいしい車内料理をいただく。それは、一つの観光地を訪れる以上の、思い出に残る体験となるでしょう。

■観光列車ランキング

1位(前回:1位) しまかぜ<近畿日本鉄道>
2位(前回:2位) 四国まんなか千年ものがたり<JR四国>
3位(前回:5位) ゆふいんの森<JR九州>
4位(前回:7位) 花嫁のれん<JR西日本、IRいしかわ鉄道>
5位(前回:3位) SLやまぐち号<JR西日本>
6位(前回:ランク外) SL銀河<JR東日本>
7位(前回:4位) きかんしゃトーマス号<大井川鐵道>
8位(前回:6位) 伊予灘ものがたり<JR四国>
9位(前回:8位) 或る列車<JR九州>
10位(前回:10位) おれんじ食堂<肥薩おれんじ鉄道>
対象:阪急交通社のサイト内検索における2018年7月1日~2019年6月30日の検索数合計より
*単一キーワードによる検索数を元にしており、表記揺れ、複合キーワードによる検索はそれぞれ別キーワードとして集計されています。
*一部、本年度において当社が開催するツアーに含まれない観光列車もございます。

10列車中9列車が、前回もランクインした観光列車となり、上位の列車の人気がしっかり定着していることがわかります。また、5位から7位まで3つの観光列車が、きかんしゃトーマス号を含めSL(蒸気機関車)となりました。

「ゆふいんの森」と「SLやまぐち号」以外は、2013年~2017年という5年間に運行開始された観光列車です。最近では「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」「うみやまむすび」「ことこと列車」「八頭号」といった観光列車も運行開始しており、今後のランクインが期待されます。

各観光列車の概要説明を含むランキングの詳細は以下をご確認ください。

*悪天候などの影響により運休や遅れがある可能性があります。最新情報は各観光列車の公式サイト等でお確かめください。

1位 「しまかぜ」<近畿日本鉄道>

1位 「しまかぜ」<近畿日本鉄道>

運行区間:大阪難波駅、京都駅、近鉄名古屋駅~賢島(かしこじま)駅
運行開始年:2013年

関西の主要都市や名古屋から伊勢志摩へと向かう観光特急「しまかぜ」が3連続1位。「乗ること自体が楽しみとなる」をコンセプトに、電動リクライニングシートや電動カーテンを完備するなど、ラグジュアリーな列車旅を提供しています。掘りごたつ風の和風個室、リビングのような洋風個室もあり、ファミリーやグループ旅行でもゆったりできます。カフェ車両では地元の特産品である松坂牛やカキ、あおさなどを味わえるメニューや地ビールなどが楽しめます。

2位 「四国まんなか千年ものがたり」<JR四国>

2位 「四国まんなか千年ものがたり」<JR四国>

運行区間:多度津(たどつ)駅~大歩危(おおぼけ)駅
運行開始年:2017年

四国の中央部を走行する「四国まんなか千年ものがたり」は、前回ランキングでの初登場時から連続の2位。車両ごとにコンセプトが異なり、いずれも座席の幅がゆったりとしたソファ席で、1号車・3号車は左右両方向の車窓が楽しめる配列となっています。また、レストラン列車と呼ばれることもあるほど、食事のメニューが充実しており、地元の新鮮な食材を使った本格的な料理を味わうことができます。
琴平駅構内には専用待合室があり、お食事券を事前予約をするとウェルカムサービスまたはフェアウェルサービスが受けられます。

3位「ゆふいんの森」<JR九州>

3位「ゆふいんの森」<JR九州>

運行区間:博多駅~別府(べっぷ)駅
運行開始年:1989年

前回と今回でランクアップを続け、3位まで上昇。湯布院(ゆふいん)へと向かう、リゾート感あふれる列車「ゆふいんの森」。クラシカルな雰囲気の車内は、木のぬくもりあふれるインテリアが目を引く落ち着いた空間です。客席を通常よりも高く配置したハイデッカー構造なので、慈恩(じおん)の滝や伐株山(きりかぶさん)といった人気スポットを存分に楽しむことができます。到着前には客室乗務員による観光案内も受けられるなど、観光客向けのサービスが充実しています。

4位 「花嫁のれん」<JR西日本、IRいしかわ鉄道>

4位 「花嫁のれん」<JR西日本、IRいしかわ鉄道>

運行区間:金沢駅~和倉温泉駅
運行開始年:2015年

乗車するお客様の幸せを願う観光列車「花嫁のれん」。輪島塗や加賀友禅(かがゆうぜん)をイメージした車体デザインが印象的です。金沢駅のホームにはのれんが設置されており、それをくぐって車内へ。車内には本物の金箔が用いられ、通路には日本庭園の飛び石をイメージした絨毯が敷かれるなどの贅沢さ。その華やかな和の雰囲気は、列車とは思えない空間となっています。
「桜梅(おうばい)の間」「撫子(なでしこ)の間」「扇絵(おうぎえ)の間」といった名前が付いた半個室メインの車両も。
2019年の運行予定日は、金~日曜日、祝日などが中心となっています。

5位「SLやまぐち号」<JR西日本>

5位「SLやまぐち号」<JR西日本>

運行区間:新山口駅~津和野(つわの)駅
運行開始年:1979年

今年8月1日に運行開始から40周年を迎えます。「貴婦人(C57型)」「デゴイチ(D51型)」の愛称で親しまれているSLが、汽笛を響かせて走ります。
客車は2017年9月にリニューアルされており、3号車の一部にはSL運転体験シミュレーターや投炭ゲームなどが設置されています。復刻された客車でレトロな雰囲気を楽しむのはもちろん、その姿を外から撮影するのも人気です。

6位「SL銀河」<JR東日本>

6位「SL銀河」<JR東日本>

運行区間:花巻駅~釜石駅
運行開始年:2014年

今年運行開始5周年を迎える「SL銀河」が初ランクイン。岩手県出身の宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」をテーマとしており、車内は大正から昭和にかけてのレトロな世界観を表現しています。各号車にある宮沢賢治の4つのギャラリーはファン必見。また1号車に、列車では世界初の光学式プラネタリウムが搭載され、乗車中に星空観賞が楽しめます。
2019年の運行予定日は、釜石駅行きは土曜、花巻駅行きは日曜が中心となっています。

7位 「きかんしゃトーマス号」<大井川鐵道(おおいがわてつどう)>
7位 「きかんしゃトーマス号」<大井川鐵道(おおいがわてつどう)>

(c)2019 Gullane [Thomas] Limited.

運行区間:新金谷(しんかなや)駅~千頭(せんず)駅
運行開始年:2014年

SLの動態保存で知られる大井川鐵道を、子供に大人気のきかんしゃトーマス号・ジェームス号が期間限定で走ります。昨年はレール点検車の「ウィンストン」が仲間に加わりましたが、今年は新金谷車両整備工場見学にて、特殊消防車の「フリン」が新しく登場します。
トーマスの声での車内アナウンス、きかんしゃトーマス弁当などもあり、子供は大喜び。
例年10月中旬までの運行でしたが、今年は12月初旬まで運行予定となっています。

8位 「伊予灘(いよなだ)ものがたり」<JR四国>

8位 「伊予灘(いよなだ)ものがたり」<JR四国>

運行区間:松山駅~伊予大洲(いよおおず)駅、松山駅~八幡浜(やわたはま)駅
運行開始年:2014年

今年運行開始5周年を迎える「伊予灘(いよなだ)ものがたり」は、5月に乗車10万人を達成し、2016年以降は乗車率が90%を超える大人気の観光列車。1号車「茜の章」と2号車「黄金の章」とで車内のデザインが異なり、車窓からは瀬戸内海西部の海、伊予灘が眺められます。時間帯や区間、食事メニューなどが異なる4編の旅が楽しめ、きめ細やかなアテンドが人気となっています。途中駅での名物駅長によるおもてなしや、沿線の県民が手を振ってくれる温かなサービスも話題です。

9位 或る列車(あるれっしゃ)<JR九州>

9位 或る列車(あるれっしゃ)<JR九州>

運行区間:大分駅~日田(ひた)駅、佐世保駅~長崎駅
運行開始年:2015年

鉄道模型の大家(たいか)として知られる原信太郎(はらのぶたろう)氏が作成した模型を元に、幻の豪華列車を甦らせたのが「或る列車」。1号車はクラシカルなソファ席がゆったりと配置され、2号車は組子に囲まれた個室となっています。そして、成澤由浩(なりさわよしひろ)氏によるスイーツコースは、地元で生産された食材を使用するのはもちろん、器まで地元で制作されたものを使用するこだわりようです。
*10歳未満のお子様(座席のいらない乳幼児含む)は乗車できませんので、注意が必要です。

2019年の運行予定日は、大分コースは6月~9月の土日中心、長崎コースは10月~12月の土日月が中心となっています。

10位 「おれんじ食堂」<肥薩(ひさつ)おれんじ鉄道>

10位 「おれんじ食堂」<肥薩(ひさつ)おれんじ鉄道>

運行区間:新八代(しんやつしろ)駅~川内(せんだい)駅
運行開始年:2013年

「動くレストラン」とも呼ばれ、九州西海岸沿線の旬な食材で作られた逸品メニューが提供されるのが「おれんじ食堂」という観光列車。美しい海、田園風景を車窓から眺めながら、フルコースが楽しめます。2018年に引き続き、今年もテレビの料理番組などで人気の坂井宏行シェフがメニューを監修し、沿線の海・山・里の幸を堪能できます。
また、運転席の横には子ども用の展望席があり、特等席で景色を眺められるので、電車好きの子にはたまらない設備だと言えるでしょう。

観光列車は指定席の場合が多く、本数も限られています。人気の観光列車はすぐ満席になってしまう可能性もあり、早めの予約がおすすめです。今年の夏、観光列車での旅、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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