■インドからニューヨークへ?
アルメニアン通りから北へ進むと、どこからかカレーの匂いが漂ってきて、陽気なインド音楽も聞こえてきました。ここはリトル・インディア。通りの両側にはインド映画専門の映画館や色とりどりのサリーのお店が並んでいます。
リトル・インディアを抜け、さらに北上すると今度はニューヨークの街角にでもいるような、洗練されたエリアに変わります。センスの良いショップが並び、スタイリッシュなビジネスマンやOLさんたちがさっそうと歩いています。5分歩けば街の様子がガラリと変わるジョージタウンはいくらジャランジャランしても飽きることがありません。
しかし、大通りを一本入ると、ニューヨークは終了。屋台でのんびりとくつろぐ人々がいる、いつものマレーシアの日常があって、ほっとします。休憩がてら、どこに座ろうかと近づいていくと、陽気なおじさんたちが「隣、おいで!」と一斉に手を振ります。どのおじさんを選んでいいのか躊躇していたら、子連れのおばさんが立ち上がって手を叩き、「ほらほら、そこのお姉ちゃん、こっち来なさい」と声をかけてくれました。
マレーシア発祥のまろやかなホワイトコーヒーと、バナナの葉に包まれたナシレマを注文。包みを開くとココナツミルクで炊いたご飯に小魚やピーナッツ、ゆで卵がギュッと固められていて、上からピリ辛のサンバルソースがかけられています。マレーシア版おにぎりとでも呼べばいいのでしょうか?
私がひとつしか頼まないので、「それ、朝ごはんに食べるものだよ。ランチなら3つくらい食べないと」と先ほどのおばさんが心配してくれるのですが、屋台でパンケーキを食べた後、ここに来る10分前にでかいオレンジケーキを食べたことを告げると安心してくれました。世界中、どこに行ってもおばさんは優しいですね。