秋風に誘われて出かけてみたくなるのが露天風呂です。湯浴みをしながら色づく木々を楽しむことができたら最高ですね。
温泉好きならば一度は訪ねてみたいのが秋田県の秘湯、乳頭(にゅうとう)温泉郷のひとつ「鶴の湯」です。乳頭山の麓に湧く温泉で、320年以上の歴史を有します。
かつては秋田藩主の湯治場だっただけに、警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」などが残り、風情ある佇まいをみせています。温泉は4種類の異なる源泉があり、それぞれ白湯、黒湯、中の湯、滝の湯と呼ばれています。混浴露天風呂に満ちる湯は白湯で、泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素泉で、文字通り白いにごり湯です。硫黄分が多いので、美肌効果があると言われています。
混浴ですが入口は男女別。女性が入りやすいように工夫されていますので、混浴初心者にもうってつけです。錦秋の山々に囲まれる入浴はまさに別天地。紅葉が終わると雪見の露天風呂となります。
秋田県の秘湯、乳頭温泉郷の鶴の湯
所在地 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
TEL:0187-46-2139
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。