《3日目》尾道 10:18 ~ 岡山 11:49
尾道駅を出て約20分で福山駅に到着。ここで1分ほどの途中下車。ホームに降りて福山城を眺める。福山駅は、明治時代にかつての城の敷地の中に作られた駅だから、正確には城郭の中から城を眺めている状態となる。
電車はこのまま東へ。車内は少し混雑気味になってくる。席を離れられないので、車窓を眺めていると、山陽本線は実にたくさんの貨物列車とすれ違う。
福山駅から10分で笠岡駅に。ホームに向かってカメラを構えていると『桃太郎』ことEF210がコンテナ列車をひいて高速で走って行った。
岡山行き普通電車は、金光駅でしばし停車中。ホームに降りて腰を伸ばす。床が揺れないところでちょっと一息。
11時49分、岡山到着! この先、相生駅までは、乗り継げる列車の本数が激減する。一本乗り遅れると、約1時間待つことになる。
次の列車は23分待ちで、12時12分発の相生行き。混み合う駅で中途半端な乗り換え時間をどうしようか、と思っていたら、数分後に赤穂線経由の電車があるのを発見。急いで時刻表をチェックすると、相生から乗る電車は同じ。急遽コースを変更して赤穂線の電車に飛び乗る。
《3日目》岡山 11:54 ~ 播州赤穂 18:08
赤穂線は全線が単線である。途中、日生駅で列車交換の待ち合わせ。車両は国鉄最後の新系列車両213系だ。
停車時間を利用してホームに降りてみると、海の香りとソースの香りにおそわれた。日生名物の牡蛎を使ったお好み焼き「カキオコ」を焼く香りらしい。駅のすぐ下に店がある。再び訪れた途中下車の魔力、しかも今度は香り付きだ。しかしこれも「次回の宿題」にして、再び車内へ。
2両編成の電車だが、車内はわりあい空いている。途中から乗ってこられたご夫妻は里帰りの帰り。「大阪まで在来線を乗り継ぐんですが、新幹線使うより早いんですよ」という。二人掛けの席に大きなキャスターバッグを入れての旅行だ。
お二人と一緒に播州赤穂で次の姫路行き電車に乗り換える。おなじ赤穂線だが、この駅を境に別の路線のようになる。全線を通して走る電車ない。
《3日目》播州赤穂 13:09 ~ 姫路 13:40
播州赤穂の乗り換えは1分。便利なようでかなり忙しい。すでにほとんどの席が適当に埋まっている。席替えが終わったばかりの教室に、突然転校してきたみたいな気分になる。
この電車は、時間によっては米原や長浜まで直通運転する。電車も車内も一気に都会風に変化したようだ。姫路まで約30分のショートトリップだ。
姫路行きの車内。補助席で勉強する高校生。まぶしいくらい幸せそうで、撮らせてもらうこちらも幸せ気分をいただいた。
13時40分、姫路駅に到着。ここで本日のルート550kmのほぼ半分だ。
純白の姫路城はかろうじて車内から眺めるだけ。朝の遅れは取り戻せたが、乗り換えはやはり忙しい。
姫路駅内の名物店「まねき」で駅弁を物色。種類も多くて充実している。朝の宮島で買えなかった穴子を使った弁当やらタコやらタイやら。姫路近隣の旨い素材が集っている。おばさんと相談しながら選んでいたら、どれも美味しそうなので、結局2品買ってしまった。
姫路は乗り換えが多い駅。だけど乗り換えの電車がどのホームに入るのか、何両なのかの説明は殆ど無い。ホームで電車を待つ人にもたずねてみたがみんな要領を得ない。「適当に並んで適当に乗る、行列はしっかり作らない」と言うかつての関西の伝統をちょっと思いだす風景だった。
やってきた電車は今回の旅の中で最長の12両編成。その座席があっという間に埋まってしまった。
そして電車は米原まで約200kmを一気に走る。稼げるうちに距離を稼ぎたい。