新型コロナウイルスの感染拡大により、落ち込んだ消費や需要を活性化させるために行われている「Go To キャンペーン」。その中でも総予算1.1兆円を投じている目玉キャンペーンが「Go To トラベルキャンペーン」です。最大旅行代金の50%相当分が還元されるということで、観光業界の活性化として期待される一方、まだまだ余談を許さないコロナウイルス感染状況もあり、キャンペーンに対して懐疑的な意見が多いのも事実です。

そこで、Go To キャンペーンに特化した情報サイト「Go To キャンペーン.jp」( https://go-to-campaign.jp/ )が、全国965名を対象に「Go To トラベルキャンペーンに関するアンケート調査」を実施し、実際にキャンペーンを利用しているかどうかなど、Go To トラベルキャンペーンに関する市場調査を行いました。他の人はGo To トラベルキャンペーンについてどのように考えているのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

■Go To トラベルキャンペーン自体は認知度が高いが、内容まで理解している人はわずか16%

「Go To トラベルキャンペーンを知っていますか?」と質問したところ、「熟知している」が16%、「知ってはいるが、細かい条件は分らない」が74%、「聞いたことはあるが、ほとんど分かっていない」が10%という結果が出てきました。

Go To トラベルキャンペーンの認知度は高いものの、その内容まで理解していない人が84%と大部分を占めました。

認知度が高い理由は、コロナ禍にもかかわらず、
・Go To トラベルキャンペーンを見切り発車させたこと
・制度の複雑さ
・東京都除外
などもあり、テレビメディアのニュースで数多く報道されたことが原因と思われます。

一方、内容の理解度は、
・35%割引になる部分と15%の地域共通クーポンが発行されるという複雑な仕組みになってしまったこと
・キャンペーン開始時期
・東京都除外
など複雑にする要因が重なり、全体的な理解度が低くなってしまったものと考えられます。

■Go To トラベルキャンペーンを利用した、もしくは予約済み、検討中であるという前向きな回答は全体の36%

続いて、「Go To トラベルキャンペーンの利用予定はありますか?」と聞いたところ、「既に利用している」は18%、「利用予定がある、予約済である」は8%、「計画、検討中である」は10%、「利用したいができずにいる」は20%、「利用予定がない」は44%でした。

すでにGo To トラベルキャンペーンを利用した人が全体の18%いる一方、利用予定がない人は44%になりました。

Go To トラベルキャンペーンを利用した、もしくは予約済み、検討中であるという前向きな回答が、全体の36%を占めており、このGo To トラベルキャンペーンが旅行の動機付けになっていることがうかがえます。

■Go To トラベルキャンペーンを申し込んだ方法、コロナ感染対策は?

Go To トラベルキャンペーンを既に利用した・これから利用予定・検討中と回答した方に聞きました。「どのように旅行の申し込みをしましたか?」という質問に対して、「旅行サイトから予約」が75%、「宿泊施設に直接予約」が21%、「旅行代理店から予約」が4%でした。

旅行の申込みは、旅行サイトから予約が全体の75%と大部分を占めました。外出自粛や3密回避なども影響し、旅行代理店への訪問を控えたことも影響していると推測します。

次に、「旅行先でどのようなコロナ感染対策をおこないましたか?(複数回答可)」と聞いたところ、マスクの着用、手洗いの徹底など、コロナ禍での新しい旅行スタイルが浸透していることがうかがえました。また、公共交通機関を避ける動きもあり、自家用車などの利用が増えたことも予想されます。

■Go To トラベルキャンペーン、利用しない人の理由は?

続いて、Go To トラベルキャンペーンを利用しない・利用できないと回答した方に聞きました。「Go To トラベルキャンペーンを利用しない理由は何ですか?」と聞いたところ、「コロナウイルス感染への懸念」が69%、「時間がない」が13%、「旅費がない」が11%、「行きたい場所・宿泊施設がない」が6%でした。

コロナウイルス感染への懸念を理由にGo To トラベルキャンペーンを利用しないという方にが全体の69%となっており、未だにコロナウイルス感染リスクを回避する動きが多くあるようです。

「どうなればキャンペーンを利用したいですか?」と聞いたところ、「コロナウイルス感染状況が落ち着いたら」が72%、「利用したくない」が11%、「キャンペーンの仕組みがもっと分かりやすければ」が10%、「もっと割引率が上がれば」が7%でした。

Go To トラベルキャンペーンを無条件で利用したくないという人は11%に留まる一方、コロナウイルス感染状況が落ち着いたら利用したいという条件付きでの利用希望が72%となりました。

「感染状況が落ち着いたら」という設問のため、それがいつの時期からかという明確な基準や日付は確認できないものの、状況によってはGo To トラベルキャンペーンを利用してみたいという潜在的な需要があることが確認できます。

「キャンペーン利用者に対して、どのような印象をお持ちですか?」と聞いたところ、「特に気にならない」が39%、「自分の住むエリアへの観光者増は不安」が33%、「自粛してほしい」が23%、「身勝手な行動に感じる」が5%でした。

■すでにスタートしたGo To トラベルキャンペーンについてどう思う?

Go To トラベルキャンペーンはスタートしていますが、キャンペーンについてどのように考えているのでしょうか? 質問をしたところ、以下のような回答が出てきました。「観光業救済のため、やむを得ない」が34%、「実施すべきではない」が24%、「対象外エリアを設けるべき」が18%、「利用回数を制限すべき」が12%でした。

続いて、「終了時期について、どのようにお考えですか?」と聞いたところ、「延長すべき」が37%、「もっと早く終了すべき」が32%、「適切である」が31%でした。どの意見も拮抗していますね。

***

「Go To トラベルキャンペーンと新型コロナウイルスの関係」についての意識が高い集計結果になりました。その結果の行動として、最大限コロナ対策をしてキャンペーン利用する方と、利用せずに自粛する方が大きく分かれ、現状では利用しない方が多いという状況のようです。

しかしながら、利用しない方でも、コロナの状況次第では利用を検討したいという回答も多く、また観光業救済という経済的観点からも、キャンペーンの実施に許容できるという意見も多くありました。

■調査概要
調査エリア︰全国
調査主体︰Go To キャンペーン.jp
調査方法︰インターネットリサーチ
調査対象︰20代〜70代の男女(計965名)
調査機関︰2020年9月23日(水)〜2020年9月30日(水)

 

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