日本一と名高い金属鋳造メーカーが作った鋳造仏
人は生まれ年の干支で守り本尊が定められている。子年であれば千手観音菩薩、丑・寅年ならば虚空蔵菩薩というように、8体の仏像が本尊として崇められるのだ。こうした自身の本尊を知り、日々慈しむことで厄災から免れ、幸運へ導かれるとされている。
桐製厨子の中で鎮座する手のひらサイズの仏像は、400年以上、銅器産地として栄えてきた富山県高岡市で、昭和29年の創業より伝統工芸・高岡銅器の技を受け継ぐ「ナガエ」が製造。鋳造仏では日本一と名高い金属鋳造メーカーだ。
誕生秘話について、同社アート事業部の松原宏尚さんはこう語る。
「仏間や仏壇がなくとも、ふだんから仏像に手を合わせたい。旅行にも持ち歩きたい、との声に応えて作り上げました。鋳造仏に使用する金型は、仏師が彫った原型を精緻に再現したもの。その金型に溶かした金属を圧入して形成する『ダイカスト製法』で、細部まで精巧な仏像に仕上げています」
着色は経年変化で金属が古びたような趣を表現した「古美色」という手法。同市で銅器着色を専門に行なう「橋本屋」の橋本哲二さんが担い、御仏の表情や装飾に立体的な陰影を施す。
付属の線香と香立ては厨子の中に収められる。香を焚き、御仏に心静かに手を合わせれば、ひとときの安寧が得られる。
【今日の逸品】
十二支のお守り本尊 手元仏像
ナガエ
11,000円(消費税込み)