北海道の土と職人業が生む、力強く表情豊かな焼きもの「知床斜里のコーヒードリップセットと灰掛コーヒーカップ＆ソーサー」

上からコーヒードリップセット、灰掛コーヒーカップ＆ソーサー

注ぎやすく液だれしにくい、急須のような注ぎ口のポット

日本最北東の登窯の窯元である「斜里窯」は、知床半島の付け根に位置する。初代窯主の中村二夫さん（72歳）は、オホーツク海の流氷に魅せられて18歳で同地に移り住み、23歳で焼きもの作りを始めた。北海道の土は鉄分が多く成形が難しいため、道内にある窯元の多くが本州の土を用いるが、中村さんはあくまで地元の素材にこだわった。道内各地の土を探し回っては混ぜ合わせ、試行錯誤の末に独自の配合を確立。約10年前より、全製品を北海道の土のみで制作している。中村さんが手がける製品は、茶道具の名産地である山口県萩市での修業経験を活かした日用品の数々。中でも、開窯時から作り続けているのがこの『コーヒードリップセット』である。

急須のような注ぎ口のポットは、注ぎやすく液だれしにくいのが特徴。陶製のドリッパーは、カップ部分と台座を別で作って接着するのが一般的だが、斜里窯では一体で成形。複雑な形状をろくろで整えるのは相当な技術を要するが、完成品は堅牢さと安定感を誇る。
「コーヒーは人前で淹れるのも楽しみのひとつ。もてなしに堂々とお使いいただけるよう、釉薬を流して描く灰掛模様や窯変で表情豊かに仕上げました」と中村さん。

そろいのカップ＆ソーサーに注げば飲み口もよく、いつものコーヒーが一段とおいしく感じられる。

左からコーヒードリップセット、灰掛コーヒーカップ＆ソーサー
コーヒードリップセットのセットはポットの蓋とドリッパーの受け皿も付属する。コーヒーを淹れた後も見た目よく置いておけるため、片付けで客人を待たせる心配もない。

【今日の逸品】
知床斜里のコーヒードリップセットと灰掛コーヒーカップ＆ソーサー
斜里窯
2,750円～（消費税込み）