山形県南部に位置する米沢市。江戸時代中期より絹織物の産地として栄えてきたこの地に、日本有数の絨毯メーカー、米沢緞通・滝沢工房がある。
「創業者の父はもともと絹織物の織機の組み立てや修理を行なっていましたが、親戚が絨毯を手織りする様子を見て“織り機次第でもっと織りやすくなりそうだ”と考え、研究の末、手機織機を発明。昭和41年から自社でも手織り絨毯業を営むようになりました」と、職人の滝沢寛子氏は語る。
その後、高い技術力が認められ、高度成長期には首相官邸や日生劇場に納品するほどに。そんな同社が、日本文化の入り口マガジン『和樂』とコラボレーションして誕生したのが、本品。山形県で数多く発掘される縄文土器に着想を得て、土器や土面などのモチーフを緞通に落とし込んだ逸品で、無染色のベージュと黒のコントラストがシックなデザインに仕上がっている。
「米沢緞通はしっかりとした目の詰まりと気持ちのよい肌触りが自慢。毛が抜けにくく丈夫で劣化しにくいので、長く使えます」と滝沢氏。どこか懐かしさを感じる和の雰囲気を残しながらも洗練されたデザインは、和洋どちらの空間にもよく合い、部屋にひとつあるだけでインテリアに深みが増す。今回はタペストリーを用意した。
【今日の逸品】
「JOMON緞通」タペストリー
『和樂』×米沢鍛通・滝沢工房
17,380円~(消費税込み)