同じマンションでも、広さや間取り、階数やバルコニーの向きなどによって価格は異なる。それゆえ、タワーマンションの低層階と高層階で価格差が生じ「マンション格差」など揶揄する言葉も生まれた。
では、実際「マンション格差」が起こっている物件はどんな物件なのか? そして、どの程度の格差なのか? 不動産業界向け情報サービスを展開する株式会社マーキュリーが、首都圏で1995年から2018年に供給された物件を対象に、価格が最も高い住戸と最も安い住戸の格差の大きさのランキングを発表した(※マンションサマリ調べ)。
以下が、1位~20位の結果だ。
1位は2008年に竣工した「ブリリアマーレ有明タワーアンドガーデン」。最も安い部屋は2970万円、最も高い部屋は10億5000万円で、なんと10億円以上の開きが! 倍率約35倍と、2位の「パークコート赤坂ザタワー」以下に大きく差をつけている。
その他、ランクインした物件をみると、2020年に竣工するにもかかわらず、すでに全戸完売した6位の「ザタワー横浜北仲」を始め、半数以上が都心部のタワーマンションだ。一般的に、タワーマンションは低層階に小ぶりな住戸、上層階に広めの住戸を配置するケースが多く、タワーマンションは格差が発生しやすい要素が多いようだ。
また、竣工年を見てみると、多くの物件は、3位の「東京ツインパークス」や4位の「アクシア青山」などのように2000年代前半に竣工しており、2010年代以降は3物件のみ。要因としては、近年物件価格は上昇を続けていることで、「低い価格設定の低層階も総じて価格が上昇している」「上層階に関しては価格が高くなりすぎることを避けて面積を圧縮する傾向にある」などが考えられるという。
以上のことから、今回の調査では、近年供給されたマンションに関していうと、1つのマンション内での格差は減少傾向にあるとまとめている。
少子高齢化が進む中、今後マンションはどう変化していくのか。価格の動向が気になるところだ。
文/鳥居優美