これって普通?手でごはんを食べる猫【動画あり】

なぜか手で食べるようになったクッキー。

文/一乗谷かおり

おもしろい動きや意表を突くおバカな行動で、新しい発見や楽しみを提供してくれる猫。子供の頃から猫を飼い、大人になってからも猫の保護ボランティアを通じてたくさんの猫たちと触れ合ってきた私も、まだまだ猫には不思議なところがたくさんあって、飽きることがないと実感する毎日です。

飼い猫のクッキー(男の子、8歳)は、生後4か月の時に保護して以来、かれこれ8年の付き合いになります。今でも、どうしてこんな行動をするのだろうと不思議に思うことが多々あります。

例えば、猫のくせに「手でごはんを食べる」。

猫は食べ物に顔を近づけ、直接口で食べるのが一般的だと思います。でも、我が家のクッキーは、手でごはんに触れて、口に運んで食べます。ドライフードの場合はやはり取りづらいのか、口で直接食べることが多いのですが、ウェットフードの場合は手を使います。

こんな風に。

ドライフードであっても、スローフィーダー(あえて食べづらい仕様の容器)で食べさせる場合は当然ながら手で食べています。直接口で食べられない仕組みだから、どうしても手でひっかけて取り出して食べるため、食べるのに時間がかかり、早食いを防止することができるというダイエット兼遊び用の食器です。

最初からこんな食べ方をしていたわけではなく、以前は普通の猫同様、食べ物を直接口で食べていました。手で食べていることに最初に気づいたのは、3歳くらいの頃でしょうか。何がきっかけでこうした食べ方になったのかは、謎です。

もしかしたら、体重8キロのクッキーはダイエットのつもりでこんな食べ方をしているのでは?! と疑ったことさえあります。

「こうやって食べると、ちょっとずつしか食べられなくて、すぐに満腹になるからいいんだにゃ」

……なわけないですね。

■必ず左手でお食事。猫の利き手問題とは?

クッキーの食事の様子を観察していると、手で食べるといっても、彼なりに様々な「技法」を用いていることがわかります。

小さな手でくいくいとごはん(ウェットフード)をすくったり、肉球にぴとっとくっつけたり、爪でひっかけたり。でも、やはり人間のように指をしっかり使って「手づかみ」というわけではないので、こぼしてしまう方が多いかもしれません(食後の掃除が大変です)。

どうしてこんな食べ方をするのか、動物病院の先生や動物行動学の先生に質問したことがあります。いわく、「遊び食い」なのかもしれない、というのですが、学術的に調査が行なわれているわけではないので、はっきりとした理由はわからないとのことでした。

もうひとつ、クッキーの食事の様子で気になるのは、いつも左手で食べるという点。以前、雄猫は左利き、雌猫は右利きという話を聞いたことがあったため、クッキーが必ず左手で食事をする様子を見ていて、やはりそうなのか! と思ったことがあります。

イギリスの心理学者が雄雌各21匹、計42匹の猫を対象に行なった猫の「利き手」の検証では、遊ぶ時などは都合で左右の手をどちらも使うようですが、瓶に入った食べ物をとる際は、雄は21匹中20匹が左手で、雌は21匹中20匹が右手で取り出そうとした、との結果が出ています。猫たちにそれぞれ3パターンの実験を各100回ずつさせたようです。こうしたことから、雄は左利き、雌は右効きの可能性が指摘されています。

クッキーも遊ぶ際には左右両方の手を使いますが、食事は必ず左手を使いまので、この調査結果は納得のいくものでした。でも、調査対象が少なすぎますし、それぞれの猫の生い立ちや生活環境なども考慮した調査ではないため懐疑的な意見もあります。実際、どうなのでしょうか。興味のある方はもっとたくさんの猫たちで繰り返し調査をしてみるといいかもしれませんね。

ともあれ、今日もクッキーは楽しそうに左手でせっせとごはんを口に運んでいます。みなさんの愛猫さんはどんな風に食事をしますか?

文/一乗谷かおり

【参考図書】
『わさびちゃんちのぽんちゃん保育園』
(著/わさびちゃんファミリー、本体1,000円+税、小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09343443

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わさびちゃんにまつわるシリーズの第3弾『わさびちゃんちのぽんちゃん保育園』(小学館)

■わさびちゃんファミリー(わさびちゃんち)
カラスに襲われて瀕死の子猫「わさびちゃん」を救助した北海道在住の若い夫妻。ふたりの献身的な介護と深い愛情で次第に元気になっていったわさびちゃんの姿は、ネット界で話題に。その後、突然その短い生涯を終えた子猫わさびちゃんの感動の実話をつづった『ありがとう!わさびちゃん』(小学館刊)と、わさびちゃん亡き後、夫妻が保護した子猫の「一味ちゃん」の物語『わさびちゃんちの一味ちゃん』(小学館刊)は、日本中の愛猫家の心を震わせ、これまでにも多くの不幸な猫の保護活動に大きく貢献している。

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