妹が家族にカミングアウトしたのは28歳のとき
妹は学年が上がるといじめられていた元友人たちともクラスが離れ、学校に通えるようになった。妹は自分の恋愛傾向を周囲に一切話さず、美穂さんだけに話していたという。
「本当に、私だけ。親にもきょうだいにも誰にも言わないでと伝えられたので、私は言いませんでした。当時はネットもなくて、同性同士の恋愛についての知識がなかったので、私と妹は同性同士のちょっとエッチなマンガを買ったりして、よく一緒に見ていましたね。親にバレたくないから、家から遠い本屋まで買いに行って、タンスの奥に服でぐるぐる巻きにして隠していました」
妹は大学で恋人を作った。でも、そのことを知るのは家族の中で美穂さんだけ。妹は卒業後にその女性と一緒に暮らし始めたが、親にはルームシェアと嘘をついた。このまま親にカミングアウトはしないものと美穂さんは思っていた。
しかし、妹は28歳のときに家族が集まった場で、カミングアウトをした。
「私は事前に伝えられていました。だから、妹以外のきょうだいは全員結婚していたのですが、私の夫や兄たちの妻や子どもは誘わずに妹を含めて6人だけで集まるように、私がセッティングしました。妹はそこでカミングアウトしました。
そして、恋人として家族に紹介したいというものでした。相手は大学時代から付き合っている女性で、そのときにはもう付き合いは7年ほど。その事実を聞いて、みんなは『そっか』という感じで、否定も肯定もしていないように見えました」
妹は家族に恋人を紹介することはなく、家族と距離を取るようになった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
