取材・文/ふじのあやこ

一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、親やきょうだいのこと。過去と今の関係性の変化を当事者に語ってもらう。
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株式会社ウェブギフトが運営するオフィスギフトでは、同性カップルに関するアンケート(実施日:2024年11月20日〜2024年12月9日、有効回答数:同性恋愛経験者(140人)異性愛者(140人)計280人、インターネット調査)を実施。アンケートにて、同性愛の経験がある方に「家族や友人へのカミングアウト経験はありますか?」と聞いたところ、「ない」が55.7%、「ある」が44.3%だった。次いで、異性愛者を対象に「家族や友人からカミングアウトを受けた場合受け入れますか?」と聞いたところ、70.7%が「受け入れる」と回答し、「どちらとも言えない」が23.6%、「受け入れられない」はわずか5.7%だった。
今回お話を伺った美穂さん(仮名・45歳)は、高校生のときにきょうだいからカミングアウトを受けている。
妹は女の子が好きだと、私にだけ言った
美穂さんは両親と7歳上と4歳上に兄、3歳下に妹がいる6人家族。小さい頃は妹とよくケンカをしていたというが、美穂さんが中学に上がる頃にはきょうだいの仲は良好、特に兄同士、美穂さんと妹といった同性同士は仲が良かったと振り返る。
「兄同士はずっとサッカーをしていて、学校外のスクールに通っていて仲が良かったんです。私と妹は一緒のエレクトーン教室に通っていて、発表会ではよく連弾をしていました。私と妹は体型もほぼ一緒だったので、服の共有もしていました。
父親は仕事人間で、母親は家に4人も子どもがいたら家事だけで精一杯だったみたいで、私と妹の習い事の迎えなどは兄たちがやってくれていました。一番上の兄は習い事帰りによく夏ならアイス、冬なら肉まんを買ってくれていたことを覚えています」
妹は明るくて友人にも恵まれているタイプだった。そんな妹が学校に行きたくないと休みがちになったのは中学生のとき。仲が良かった友人とのケンカがきっかけでいじめを受けているとのことだった。
「当時は学校に行かない子は異端児扱いでした。だから、何とか母親も学校に行くように説得していて、不登校にはならなかったのですが、嫌いな授業などがあるときは休んでいました。母親は学校とも相談して、休憩時間は保健室や、担任が音楽の先生だったので音楽室などに居させてもらっていたようです」
笑顔も消え、塞ぎ込むような妹の勉強を美穂さんは家で見ていた。そのときに妹からカミングアウトされたという。
「妹から、好きな相手が女の子だということを打ち明けられました。その子に告白みたいなことをしてしまったら、避けられるようになったと。そのことがすぐに友人たちの間で広がって、学校に行きづらくなったようでした。
その話を聞いたとき、私は動揺してしまったけれど、普通にしないと妹を傷つけてしまうと咄嗟に思いました。その私の普通の態度が妹は嬉しかったのか、そのことについて頻繁に相談を受けるようになっていきました」
【妹が家族にカミングアウトしたのは28歳のとき。次ページに続きます】
