同棲期間は1年と決めていたものの、短縮される結果に
まずは相手名義で新居を借り、そこで同棲することに。同棲期間を1年と決めて、その間に婚前契約書を更新していくことにしたという。
「婚前契約書には、生活費や家事の分担、財産分与、離婚時の条件、そして性交渉の有無などを記載しました。もちろん、最初はお互いが“無”を選びました。同棲前にまずは叩き台を作って、同棲中に出てきた不満や歩み寄ってほしいポイントを追加したり、今ある項目を修正していく予定でした」
同棲は途中で解消されることなく、美香さんは40歳になる手前でその男性と結婚した。同棲期間は1年に満たなかったという。理由は妊娠が発覚したから。
「同棲中に子どもができたんです。婚前契約書は結局ほとんどの項目を無視して、機能しないものとなりました(苦笑)。何かあったらその都度話し合っていけばいい。結婚という目標に向かっていく期間は、前の恋愛では味わえなかった、とても楽しいものでした」
婚前契約は、結婚生活のルールなどを結婚前に明確にして、将来のトラブルを予防して幸せな結婚生活を送ることが主な目的とされている。しかし、婚前契約に固執してしまうのは良くない。婚前契約はあくまでも、万が一の事態に備えるためのものだ。結婚生活の基盤となるのは、互いを思いやる気持ちと共に歩む覚悟なのだろう。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
