「子作りは2年後から」の約束は簡単に反故にされた
義母に子どもについて説得をされたことよりも、夫が義母に夫婦の子どもについての話をしていたことがショックだったと麗子さんはいう。
「付き合っているときは、まだ結婚するつもりじゃなかったから、結婚するまでで義両親に会ったのは1回だけ。結婚の挨拶で2回目でした。付き合っているときから夫はそんなに両親の話をしなかったので、もしかしてマザコンだったのかもしれないとそのとき初めて思いましたね」
義母に夫婦の子どもについて話したことを夫に問い詰めたところ、あっさり認める。悪びれることもなく、2年後と話し合った約束を簡単に反故にした。
「義母にはちょっとした愚痴だったと言い訳をしてきて、『でもそれが本音』と言いました。そこから話は平行線でした。『できたら産めばいいじゃないか』と言われたときは腹が立ちましたね。無計画な妊娠によってどれだけ予定が狂わされるのか、想像できないからこその発言でしょう。夫は私の仕事のことは一切考えていないことがわかりました」
どんなに自分勝手な夫でも、麗子さんに別れる気はなかった。子どもが絶対に欲しくないわけじゃなかった麗子さんは夫側の思いに添い、妊活をすることに。そして、4か月後に妊娠が発覚する。
「純粋にうれしかったです。単純ですが、急に仕事よりも母親になることに考えがシフトしましたね。私の仕事は飲食店で立ち仕事だったので、すぐに社長である店長に報告しました。立ち仕事の時間を減らしてもらい、仕事は仕込みや経理など座ってできる仕事をメインにさせてもらいながら、しばらく仕事を続けることになっていました。
でも、義母が来て、その結果仕事を休職ではなく辞めることになりました」
義母は仕事を辞めるように、職場に電話をしてきた。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。