成績が落ちたことによって父親から手を出されるようになった
小学校の頃から人間関係の悩みも多く、友人だと思っていた相手からいきなり無視をされたり、いじめられることが多かったという。
「今ならスマホなどに予定を入れて、直前でお知らせしてくれますが、当時はそんなものもなかったから、自力で覚えるしかなくて、それができませんでした。約束を忘れたり、覚えていたとしても時間を逆算して動けないので遅刻をしてしまう。それで友だちを怒らせてしまって、反省しているのですが、何度も繰り返すことで反省しているとは相手にはうつらず、もう無理だと離れていきました。
なぜできないのかを問われても、自分でもよくわかりませんでした。だから、謝ることしかできないんです」
授業に集中することができずに、成績も下がる一方だった。父親はそのことに怒り、家では塾に通うことと、毎日ドリルを3ページ以上することなどノルマを作られた。
「友人たちから仲間外れにされるようになってからは、授業中も勉強よりもその後の休み時間にどう過ごせばいいのかで頭がいっぱいでした。学校は勉強する場所なのに、勉強どころじゃなかったんです。
小テストなどを含め、成績がつくものはすべて父親にチェックされていて、私はテストがあったことの報告も忘れがちだったので、より父親の怒りを買ってしまっていました。そして、遅れて提出したテストの成績が下がったことがわかると、手をあげられていました。顔などを素手で叩かれるのではなく、学習ドリルなど紙の束で腕や手などいろんなところを叩かれていました。小学校5年生ぐらいのときに胸の成長期で痛みがあったのにも関わらず、強く叩かれたことがあって、そのときは怒りでよくわからなくなって、怒りに任せて言い返しました。興奮していて、何を言ったのかは覚えていません」
父親と同じように、母親にキレるようになった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。