近年、結婚式の多様化に伴って、産後しばらくしてから式を挙げる「子連れ婚」が増加傾向にあります。妊娠やコロナ禍など、さまざまな事情で結婚式を中止・延期した方が、子どもが生まれてから結婚式を検討し始めることもあります。
親御さんの中には、「子どももいるのに、今さら結婚式を挙げるのか」と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、入籍後しばらくしてからの結婚式は特殊なことではなく、海外では「入籍後10年たってから結婚式を挙げた」というケースも多数あります。
本記事では、子連れでの結婚式事情や、ネガティブな意見への対応についてご紹介します。
目次
子連れの結婚式とは
子連れの結婚式を成功させるには?
式当日はベビーシッターへの依頼がおすすめ
ネガティブな意見があることも
最後に
子連れの結婚式とは
子連れ婚とは、出産後、子どもと一緒に行なう結婚式のことです。最近では「ファミリーウェディング」や「パパママ婚」とも呼ばれています。子どもと一緒だからこそ、子ども参加型の演出を取り入れたり、ゲストに子どもをお披露目する機会にもなるでしょう。
子連れ婚の魅力は、子どもと一緒に和やかな雰囲気で挙式ができることではないでしょうか。とはいえ、子連れ婚だからといって、「必ず子どもを主役にしなければいけない」わけではありません。子どもの年齢にもよりますが、まだ赤ちゃんの場合は、別の部屋でベビーシッターと過ごし、披露宴でお披露目する程度に留めておくのも一つの方法です。
子連れの結婚式を成功させるには?
子連れの結婚式では、子どもの年齢や結婚式の規模など、配慮が必要なポイントがいくつかあります。また、子連れ結婚式では、親の協力は欠かせません。だからこそ親子で話し合い、自分たちにふさわしいタイミングや内容で進めていくことが大切です。
ここでは、子連れ結婚式を成功させるためのポイントをご紹介します。
子どもの年齢
ある程度、こちらの指示が通る年齢の子どもであれば、特に心配はいらないかもしれません。問題は、子どもが乳幼児期の場合です。子どもの性格にもよるので一概にはいえませんが、式の時期を決める際、それぞれの年齢の特徴を把握しておきましょう。
・0歳
0歳は授乳やミルクの回数が多く、新郎新婦は寝不足で、体調が万全でない可能性が高い時期です。しかし、赤ちゃんはまだ歩き回らないので、周囲は比較的安心して見守ることができるでしょう。
・1歳前後
個人差はありますが、1歳前後は授乳が終わっていたり、食べられるご飯の幅も広くなってくる頃です。
歩き始める子も多いですが、まだあちこち自分で走り回る時期ではないでしょう。睡眠時間が安定し始める子もいるので、新郎新婦に少し余裕が生まれる頃かもしれません。
・2歳前後
一般的には簡単なお話ができる頃で、子どもの意思がはっきりしてくる時期なので、飽きないようしっかりと遊べるものを充実させておくといいでしょう。
子どもの性質によっては、歩き回り、座っていられない子もいます。その場合は、3歳以降に少し落ち着きが見られるようになってから、結婚式を検討するのも一つです。
※上記は目安です。それぞれの子どもの成長度合いによってご判断ください。
無理な予定は立てない
子どもとの結婚式を考えている方の中には、子どもが主役の演出を検討される方も多いでしょう。しかし、まだ小さい子どもの場合、予定通りに動いてくれないことがほとんどかもしれません。演出をあれもこれもと詰め込みすぎると、進行が行き詰まってしまいます。
進行は余裕をもち、子どもに負担をかけない程度の演出にとどめ、臨機応変な対応ができるようにしておくと安心です。
少人数婚がおすすめ
大々的にゲストを招待しての子連れ婚もありますが、子連れでの結婚式はどちらかといえば、少人数婚がおすすめです。少人数婚に厳密な定義はありませんが、一般的には30人程度の規模の結婚式を指します。
人数が多い結婚式は、どうしても予定が詰まりがちです。ゲストとの距離も遠くなり、子どもと接点がないまま披露宴を終えることもあるかもしれません。
少人数婚の場合、ゲストは「両家の親族だけ」、「新郎新婦と子どもだけで挙げる」のように、コンパクトにまとめるケースもよく見受けられます。
式当日はベビーシッターへの依頼がおすすめ
結婚式当日、新郎新婦が子どものお世話をする時間はほぼありません。忙しい二人に代わって、子どもの世話役は、
1:両家の親
2:ベビーシッター
のどちらかに依頼することが多いようです。
いずれの場合でも、事前に数回預かってもらうなどして、子どもがその人に慣れておくと安心でしょう。
親が式に集中できるように
上記のように子連れ結婚式の中には、シッターを雇わず、新郎新婦の親が世話役になることもあります。しかし、主役でないとはいえ、親は何かと役目があり忙しいものです。ただでさえ大変な子守りが、正装だとなおさら大変になるでしょう。普段から親が子どもに慣れている場合でも、可能であればベビーシッターに任せておくことをおすすめします。
親の手だけでなく、両家の親族全員で協力しあうのも一つの方法です。しかし、式当日は何かとバタバタすることが多く、そうなれば子どもが混乱するかもしれません。
また、小さな子どもの体調は急変しやすいものです。ベビーシッターを雇う場合は、「発熱した場合でも預かりは可能かどうか」など事前に確認しておきましょう。
ネガティブな意見があることも
インターネット上で「パパママ婚」や「子連れ婚」と検索すると、「今さら感」「行きたくない」という意見が見受けられます。原因は、子どもが嫌いだからということではなく、多くの場合「お祝いを何度も渡すことになる」などといったような、金銭問題かもしれません。
子連れ結婚式の多くは、入籍してから式までしばらく時間があいていることがほとんどです。その場合、入籍時に既に「結婚祝い」をいただいているケースが多いのではないでしょうか? それに加え、出産時にも「出産祝い」をいただいてることもあるかもしれません。
さらに結婚式もご祝儀制にすると、ゲストからお祝いの「二重取り、三重取り」というような印象を与える恐れもあります。親としては、結婚時に親族の誰からお祝いをもらっていたか確認し、子どもと共有しておきましょう。
招待予定の方から既にお祝いをいただいている場合、
・結婚式は会費制にする
・ご祝儀制の場合、引き出物を豪華にする
・式の規模を食事会程度にとどめておく
といったような配慮が必要です。さらにゲストに気を遣うなら、先述したように「家族のみの結婚式」にされることをおすすめします。
最後に
子連れでの結婚式は、「和やかな雰囲気に包まれる」という印象をお持ちの方も多いでしょう。しかし、子連れでの結婚式ならではの注意点が存在するので、親のサポートは欠かせません。親子で協力し、自分たちに合う形の結婚式が実現するといいですね。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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