なぜ整形がしたいのか、相談できる相手が欲しかった

亜美さんは大学を卒業後も実家から就職先に通い、お金を貯めて整形をしたのは24歳のとき。今でいうプチ整形ではなく、切開する二重手術を行ったという。術後に目が大きく腫れたことにより親にもすぐバレたが、母親は何も言ってこなかったそうだ。

「もう大人だったし、自分のお金ということで親は何も言ってきませんでした。整形の前に家を出ることも考えたのですが、それにはお金がかかるし、それに目の印象が大きく変わるのでいつかはバレると思って、最初から隠すのをやめたんです。

そこから、母親は私の目の整形について触れてきませんでした。私も聞かれていないからわざわざこちらからいう必要もないと思って、そのままでしたね」

そんな関係の転機になったのが、母親が眼瞼下垂になり、目の手術をすることになったこと。母親の手術は、美容整形とは違うが、顔が変化することへの不安に対して話を聞かなかったことを謝ってきたという。

「『顔にメスを入れるなんて怖かっただろうに、あのときは反対して、相談に乗れなくてごめんなさい』と言ってきました。あの頃の整形は友人に相談できることでもなかったから、親に聞いてもらいたかったです。頭ごなしに反対されて、私の思いをすべて否定されたと思いました。反対されたのは、この容姿でいいからなんだとはなりませんでしたね。

母親が謝ってきてくれたこともあって、私も、母親に似たからブスになったと言ってしまったことをずっと後悔していたので、それを謝りました。ずっと私も言い過ぎたという思いがあったので。それと、『お母さんに似た、小顔なところと華奢なところは気に入っている』と伝えました」

美容整形は昔よりも身近に感じるようになったが、顔にメスをいれるということには並々ならぬ決意が必要なことは変わっていない。子どもがどのくらいの意思で整形をしたいと言っているのか、その気持ちにまずは寄り添うことが大切だろう。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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