サライ世代にもなると、血気盛んであった頃からすれば、角も取れて随分と丸くなったように思います。また、人生長く生きていれば、それなりに多くのことを学び、悟ることができたようにも感じます。

しかし、その一方で未だ多くを悟りきれていないことも自覚するものです。若い頃「もっと、勉強すればよかった」と後悔するのは、まだまだ、頭が柔軟な証拠。先人が残してくれた名言や諺から、若かりし頃とは一味も二味も違った学びや悟りが得られるのではないでしょうか? 

第6回の座右の銘にしたい言葉は「隗(かい)より始めよ」 です。

目次
「隗より始めよ」の意味
「隗より始めよ」の由来
「隗より始めよ」を座右の銘としてスピーチするなら
まとめ

「隗より始めよ」の意味

「隗より始めよ」について、『⼩学館デジタル⼤辞泉』では、「大事業をするには、まず身近なことから始めよ。また、物事は言い出した者から始めよということ」と説明されています。この言葉は大きな事業や目標に取り組む際の二つの重要な教訓を私たちに教えています。

一つ目は、物事を手近なところから始めることの重要性です。そして、二つ目は、物事を言い出した者が自らそれを始めるべきであるという教えです。この二つ目の教訓は、特にリーダーシップを発揮する上で非常に重要な意味を持ちます。

「隗より始めよ」の由来

この言葉は中国の史書『戦国策・燕』に由来します。燕の昭王が国の発展のために優れた人材を招きたいと考えたとき、遊説者の郭隗に意見を求めました。郭隗の答えは意外なものでした。「優れた人材を招きたいなら、まずは私を優遇してください」と。

彼の理論は、自分のような凡庸な人物でも重用されるなら、より優秀な人材が自ら集まってくるというものでした。昭王がこの進言に従い、郭隗のために邸宅を建てて重用したところ、多くの賢者が燕の国に集まりました。

この故事から、「隗より始めよ」という言葉が生まれ、大きな事業を始めるには、手近なところから始めるとよい、という意味で用いられるようになりました。また、物事は言い出した者から始めよという意味にも使われます。

「隗より始めよ」を座右の銘としてスピーチするなら

「隗より始めよ」という言葉は、大きな目標や事業を成功させるために身近なところから始めることの重要性を説くだけでなく、「物事は言い出した者から始めよ」という、発案者の責任と行動を促す教訓も含んでいます。この二重の意味を持つ言葉は、私たちが新たな挑戦に臨む際の強力な指針となり得ます。以下に「隗より始めよ」を取り入れたスピーチの例を三つあげます。

1:チームワークとリーダーシップを語るスピーチ例

「皆さん、チームの一員として、またリーダーとして、『隗より始めよ』という言葉を心に留めておくことについて話したいと思います。物事は言い出した者から始めよ、とこの言葉は私たちに教えています。つまり、何か新しいアイデアや提案をしたときは、自分がその先頭に立つことが求められます。

私自身、新しいプロジェクトを提案した際には、この座右の銘を思い出し、率先してその実現に向けて行動しました。その結果、チームメンバーもその熱意に感化され、プロジェクトは大成功を収めることができました。皆さんも、この精神を持ってチームでの仕事に取り組んでみてください。」

2:社会貢献と個人の行動についてのスピーチ例

「今日は、『隗より始めよ』という座右の銘が、社会貢献への小さな一歩としてどのように役立つかを皆さんと共有したいと思います。この教訓は、私たち一人ひとりが地域社会や環境に対して貢献するために、まずは自分自身から始めることの重要性を示しています。

私がこの言葉に触れ、地域の清掃活動に参加するようになったとき、その小さな行動が周囲の人々にも広がり、やがては大きな運動へと成長しました。私たちの小さな一歩が、大きな変化を生み出す力を持っていることを、決して忘れないでください。」

3:新しい挑戦を励ますスピーチ例

「今日お集まりいただいた皆様に、私の座右の銘である『隗より始めよ』の精神をお伝えしたいと思います。この言葉は、私たちが新しい挑戦に直面したとき、大きな目標を達成するための最初の一歩は、身近なところから始めることの重要性を教えてくれます。実は、この教訓を実生活に適用したとき、私は自らの限界を超えることができました。

例えば、健康を改善しようと決心したとき、私はまず小さな習慣から変えていきました。毎日の短い散歩が、やがては長距離ランニングへと発展し、今ではフルマラソンを完走できるまでになりました。このように、小さな一歩が積み重なり、やがては大きな成果へと繋がるのです。」

まとめ

「隗より始めよ」という言葉は、新しい事業や目標に取り組む際の心構えを教えてくれる貴重な座右の銘となり得ます。身近なところから始めることの大切さとともに、物事は言い出した者から始めるべきだという、発案者の責任と行動の重要性を忘れずに、新たな挑戦に臨みましょう。自らの行動が、最終的に大きな成果へとつながる第一歩となるのです。

●執筆/武田さゆり

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com

 

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