結婚を機に夫は取引先に転職、妻はフリーに
干渉されることが嫌いなこと、子どもを無理に欲しがっていないことなど、付き合っていく中でわかっていたお互いの価値観を尊重した結婚生活は、付き合っていた頃とあまり変化がなかったという。
「結婚式もせずに、お互いの親には挨拶と、親族との顔合わせをしただけでした。私の親は、35歳でもう結婚は諦めていたのか終始ニコニコしていましたし、義母と義弟はそんなに口数が多くなくて、その場で仲良くなることもなく、ご挨拶と顔合わせは他人行儀のまま終わった感じでした。
新婚生活も、新居になった新鮮さはありましたが、それだけ。財布も別だったので。それよりも、夫は結婚する少し前に転職して、私はフリーになったことで、お互い仕事でいっぱいいっぱいという期間が続きました」
夫は元勤め先の取引先に引き抜きというかたちで転職していた。同業ではなかったが、不義理をしてしまった状況だった。
「元勤め先は、当時紙媒体からウェブへ移行しようとしていたときで、その中で動画コンテンツを扱う会社と何度かやりとりをすることがありました。その会社に夫は転職したんです。同業種ではなかったものの、元勤め先も後々に広げようとしていたコンテンツでもあったので、夫の転職はいい顔はされませんでした。その人と結婚して同じタイミングでフリーになった私にもそれは影響しました」
新しい仕事が落ち着いてきたとき、コロナ禍に見舞われた。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。