夫婦で子育てしたい思いがあった
上京のときに頼った大学の友人の同僚として出会ったのが今の夫。同い年で相手は兵庫県出身と上京組ということもあり、すぐに意気投合した。結婚したのは上京して6年経った32歳のとき。同棲期間は4年、2回目の賃貸の契約更新のときに引っ越しすることになり、同時に入籍した。
「上京して3か月ほどで夫とは付き合いました。同棲期間が長くて、このまま結婚しない可能性もあるのかなと不安になっていたときに賃貸の更新があって。もう少し広いところに引っ越ししたいねという話になり、じゃあ引っ越しと一緒に入籍もしようかというようなプロポーズでした。プロポーズと呼べるようなものじゃなかったんですけど、夫の今後の人生には私がいて当然みたいな態度が、あのときはとても嬉しかったんですよね」
結婚してすぐに瑛美さんは妊娠、その後無事男の子を出産する。しかし、夫は子育てに非協力的だった。そこから徐々に夫婦の関係はこじれていったという。
「私は妊娠を機に仕事を辞めていました。産休を取ってまで続けたい仕事ではなかったし、子どもにきょうだいを作ってあげたかったから。子育てが落ち着いたらどこかでパートとかできればいいなと思っていました。子どもを授かったからにはちゃんと子育てしたかったんです。できれば夫婦で。私はほぼ母親だけに育てられて、小さい頃は自分にまったく興味がなさそうな父親を見て、寂しい気持ちがありました。だから子育ては夫婦で行ないたかったんですけど、夫は『お前のほうが上手だろう』と私に丸投げでした」
自分の不満なら我慢できたが、子どもの不満は我慢できなかった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。