夫は子どもができても独身時代の生活をまったく変えなかった
結婚の挨拶のときに前の離婚理由を子どもが欲しかったことだと伝えてしまったことで、結婚してすぐに義母からの妊活に向けたプレゼント攻撃が続いた。
「私に子どもを作りたいという意志があることがわかっていたから……、だとは思います。新婚当初は週に2回ほど夫婦生活は持っていて、特に不満はなかったのに、家に溢れていく妊活グッズやサプリなどを夫が見て、夫婦生活は義務のようになっていきました。
その後、無事妊娠することができたのですが、子どもが生まれてから今まで、一度も夫婦生活を持っていません」
夫が結婚前に言っていた「夫婦ずっと一緒というのも窮屈だから、休日にはお互い好きなことをできる時間を作ろう」という言葉通り、子育てに一切参加せずに趣味ばかりに週末を使っていた。まさにお金だけ持って帰って来る夫が出来上がったという。
「夫は休日には独身の頃と同じようにアウトドアやスポーツをやって、夜はそのまま飲みに行くという生活を送っています。結婚当初はそれでもよかったのですが、子どもができてからも生活を変えてくれませんでした。『もう少し子育てに協力してほしい』とお願いすると、『専業主婦なのに』とか『僕よりも(子育てに)慣れている君がやったほうが早い』と言われるだけで、話し合いにもなりません」
義母は子どもが小さい頃は頻繁に様子を見に来ていたというが、子どもが大きくなっていくと飽きたのか、大型連休のときだけという頻度に減ったそう。
愛はないがお金はある結婚、お金はないが愛のある結婚はどちらがいいのか。どちらも経験した里奈さんは前者を選択した。「子どもがいるから。夫への愛なんてなくても、お金があると子どもとの時間を持てるから」と回答するも、結婚生活10年以上でやっとわかった答えだという。どちらかに極端にならなければ問題ないように見えるが、「その普通が最も難しい」と里奈さんは語る。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。