取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

不倫をされた側の心情や、不倫後の夫婦が壊れる様子を描いた不倫ドラマが1クールに1つや2つは目にするようになった。

レゾンデートル株式会社は、現代の夫婦関係のあり方、婚外交渉や異性交遊に対する価値観の多様性を把握するため、既婚者を対象に「婚外恋愛に関する実態調査」を実施(実施日:2023年6月30日~2023年7月7日、調査対象者:30~59歳の既婚男女1000人(男性500人、女性500人)、インターネット調査)。調査によると、既婚者の22.5%(男性33.0%、女性16.1%)に「婚外恋愛の経験あり」との結果になった。同社が別で行なった調査では、婚外恋愛で最長の交際期間は半数超が「1年以上」と回答。「5年以上」も2割という結果が出ている。

今回お話を伺った梨花さん(仮名・43歳)は現在夫との2人暮らし。夫とは10年以上も続いた不倫関係を経て結婚に至っている。【その1はコチラ

乳がん発症で、10年以上の不倫関係に終止符

不倫相手の夫婦が互いの不倫をきっかけに別居状態になるも、そこから6年ほど離婚に至らず。それでも好きなときに会えるようになった関係に梨花さんは満足していたという。

結婚願望もなかった梨花さんは現在その男性と結婚している。そのきっかけは、梨花さんの乳がん発症だった。

「まさか、自分が……という感じでした。毎年婦人科の検診を受けていたんですが、その中で生検、CT、MRIなどあれよあれよと検査を立て続けに受けるように医師に言われて、告知は想像よりもあっさり行われました。淡々とガンの種類、悪性度、治療方針などを聞き続けたのですが、耳がキーンとなってあまり覚えていません。死んじゃうかもしれないんだってことしか、覚えていません」

入院に手術、その後の投薬など、治療は長い期間に及ぶ。その長期間の治療への決意を決めるのと同時期にプロポーズを受けたという。

「いざというときを考えての、彼の優しさだったんだと思います。彼が別居してから、本当に普通の恋人同士以上の関係だった。でも、法律的にはいざというときに何もできないことが私の病気で明らかになりました。そのとき私はすでに母親を亡くしていて、両親はその前に熟年離婚をしていたから父親は頼れる存在ではなかったし、何をしているのかもわからない状態でした。そんな独りぼっちという不安から、彼は救ってくれようとしていました」

【病気によって180度変わった人生は幸せ?  次ページに続きます】

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