取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

岡山県で、駐車場の車の中に2歳の男の子が約9時間半置き去りにされ死亡するという事件が起こった。容疑者となってしまった祖母は孫をとても可愛がっており、その日も娘に頼まれて孫を保育園に連れて行くように頼まれていたという。株式会社⼩学館集英社プロダクションは、全国の未就学から⼩学⽣の⼦どもを持つ男⼥209名を対象に、「お⼦さんの教育に関する」アンケート調査(実施日:2023年6⽉16⽇〜6⽉18⽇、有効回答数:209名、インターネット調査)を実施したところ、祖父母にしてもらいたいサポートの1位は「金銭的な援助」(33.5%)だったが、2位は「親の不在時に子どもを預かってほしい」(28.7%)、3位「子どもと遊んでほしい」(19.1%)という結果になった。また「幼稚園・保育園・学童の送迎をしてほしい」(13.4%)、「習い事の送迎をしてほしい」(18.2%)とあるように、多くの親が祖父母のサポートを望んでいることがわかる。

今回お話を伺った恵さん(仮名・71歳)は2人の子どもがともに高校中退となり、親族から「子育てに失敗した」と言われ続け見放されてしまう。それでも夫と2人で非行に走らないように踏ん張り続けた。2人の子どもはともに結婚して、子育てを無事卒業できたと喜んでいたが……。【その1はコチラ

長女は出産後も家に帰らず。毎日孫と娘の世話に追われる

長女は無事出産した後も夫が待つ家に帰らず、実家に居座り続けた。一時娘夫婦は離婚の危機もあったが、実家近くに引っ越すという条件を長女の夫がかなえてくれたことで一時は解決したように見えた。

「出産する前までは長女の夫は、嫁が実家から帰ってこないことに特に文句を言わなかったみたいなのですが、出産後半年以上経過してもまったく戻ってこないことにしびれを切らしたようです。

娘夫婦は話し合いをして、元々は私たちの家から車で30分ほどの距離から徒歩10分ほどのところに越して来ました。長女の夫の会社からは遠くなったのに譲歩してくれて、本当にいい旦那さんだなって思いましたし、ワガママな娘で申し訳ないなとも思いました」

長女が出産した4か月後に長男の嫁も無事出産した。こちらは嫁の両親に頼っているのか、たまに様子を見せに来るぐらいでそこまでの交流はなかったそう。

「自分の経験から、義母よりも実の母親のほうが頼りやすいだろうと、長男の嫁には、こちらから交流をせがむことはしませんでした。

それに……、長男は再婚する30歳のときまで実家で生活していたので、今の嫁も付き合っている頃からよく家に来ていて、図々しいというか、馴れ馴れしいというか、あまり好きな感じではなかったんです。泊まりに来たときには、下着もひっくり返ったまま洗濯カゴに入れてあったり、勝手に冷蔵庫の中を漁って何かを食べたりされていましたから。授かり婚でなければ、結婚に少しぐらいは反対していたかもしれません」

【働かないと生活できないし、親のサポートがないと子育てできない 次ページに続きます】

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