84歳の実母にできた、「友達」の正体

それまで頻繁に様子を見に行き、祖母に懐いていた哲也さんの娘に、「もう来なくていい」と言った背景について伺いました。

「娘によると、娘が祖母宅を見に行ったら、60歳くらいの男性が上がりこんでお茶を飲んでいた。身なりは正しく、スーツを着ていて清潔な感じがしたとのこと。母と男は親密な様子で、娘が男に名刺を出すように言うと、“そんなものは持っていない”と言ったそうです。娘はひとまず、男を追い出し、“ばあちゃん、あの人はなんなの?”と聞いたら“友達”だと言う。“今、怖い人がいっぱいいるんだから、簡単に家に上げちゃダメだよ”と言ったら、“もう来ないでいいよ”と言われたと言っていました」

ひとり暮らしの高齢者と親しくなり、寸借詐欺をしたり、家にある金品をくすねるという事件は実際に起こっています。高齢者側は友達だと思っているし、寂しいから、心を許してしまうのです。

「警察に相談したら、明らかな門前払いをされました。弁護士に相談したら、現状のままでは何の対策も打てないと言われました。そこで探偵さんにお願いして、ウチの母がどのような生活を送っているか、そして男の正体と目的を調べてもらいたいのです」

哲也さんが言うには、実母は実印を自分で管理しており、自宅にはかなりの金額のタンス預金がある。哲也さんの父親が集めた美術品や高級時計などもあり、財産が第三者に奪われるのが心配だと言います。

「娘は“男は土地の権利や金庫の場所をばあちゃんに聞いていたよ”とも言っており、この男を追い払いたいのです。どうぞよろしくお願いいたします」

母の財布を勝手に開けた初老のダンディ男の正体は…、~その2~へ続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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