取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った愛莉さん(仮名・40歳)は28歳のときに結婚して、現在は夫との2人暮らし。最近のストレスは年々我がままで嘘つきになっていく義父とのつき合いだと訴える。

「私たち夫婦には『年寄り扱いするな』と言って同居を拒否したくせに、周囲には息子夫婦は何もしてくれないと言いふらしているようなのです」

大学の同級生と24歳で再会して、28歳で結婚

愛莉さんは愛知県出身で、両親と5歳上に兄のいる4人家族。両親は愛莉さんが小学校に入る前に一度離婚をして、小学校5年生のときに実の両親同士が再婚。再婚のときに父親が暮らす都内へと引っ越した。

離婚していた間も家には父親がいるときもあり、その空白の期間に寂しさを感じたことはあまりなかったという。

「離婚の理由は知らないんです。小さかったし、離婚後も両親が揃っていたことが多かったからあまり気にしていなかったというか。再婚は父親の転勤が決まって、付いていくなら籍を入れようとなったみたいです。

転校する前の私は学校でいじめのようなものに遭っていたこともあって、学校を移ることは嬉しかったです。東京では新しい友人にも恵まれましたし。母親には学校のことを話していたので、東京に連れて行ってくれたのかもしれません」

愛莉さんはそのまま東京の高校、大学に進学して、今の夫とは大学の同級生として知り合った。在学中に付き合うことはなく、24歳のときに共通の知り合いを通じて再会し、恋愛関係になった。

「学生時代にはお互い淡い気持ちなんて一切なく、再会して連絡を取り合うようになってからですね。同棲するのも私のマンションの更新時期の関係でスタートしたし、結婚も周囲がし始めたことがきっかけで、じゃあ私たちもとなった感じです。

夫は面倒くさがりで、まったくマメじゃないけれど、私もどちらかというと同じタイプだったので、気を遣わずに一緒にいれたんですよね」

【義母の急逝で、まったく交流のなかった義父が一人ぼっちに。次ページに続きます】

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