娘に嫌われるのが怖い
何百通も送ったLINEも既読にならず、心配で胸が張り裂けそうになり、警察に通報することを考えたころに帰宅。
「娘に“何をやっていたの!”と聞こうとしましたが、顔を見ると嫌われるのが怖くて、何も言えませんでした。娘はほろ酔いで“楽しかった”と言い、“ママからの電話、気づかなかったよ”とさらりと言いました」
自室に戻る娘から香って来た、明かに男物の香水の匂いに、純子さんの胸はざわつきます。
「そして、娘が来ている服やバッグのブランドタグを撮影し、検索するとTシャツは1枚5万円、シンプルなハットが7万円、ズタ袋みたいな変なバッグが30万円、スニーカーにはプレミアがついて30万円もすることがわかったのです」
ブランドタグを見せていただくと、“シン富裕層”と言われる人が選ぶ服だということがわかりました。
純子さんは「いい服着てるのね。どうしたの?」と聞くと、娘は「コピーだよ。めっちゃ安いの」と答えたとか。
「何を言っても、のらりくらりと交わされる。娘が売春や犯罪加担しているかもしれないと主人に話したら、“オマエが生活費は出さないと言うからだろう”と言われました。私も“あなたが東京進学を許すから”とケンカになり、家はめちゃくちゃです」
夫は「もう20歳なんだから、ほうっておけ。多少の泥水をすすっても、あいつは立ち上がる」と我関せずだとか。
「娘世代のことを調べると、メン地下(メンズ地下アイドル)とか、ホストとかいろんな誘惑があるじゃないですか。親戚の高校生(女子)も、渋谷の交差点で信号待ちしていたら、50代の男性から“いくら?”と聞かれたと話しており、いてもたってもいられなくなり、娘の家に行ったら、もぬけの殻だったのです」
不動産会社に行くと、娘は男性と解約に来ており、この男性が物件の契約者である純子さんの夫になりすまして、解約をしていたそう。転居先の情報はプライバシーもあるから明かせないと拒否されてしまう。
「これから就職活動を控えている娘のために警察沙汰にはしたくないんです。調べてください。お願いします」
数時間にわたるカウンセリングで、娘の全てを支配しようとする、いわゆる「毒母」でないことはわかり、調査を受けることにしたのです。
【娘は繁華街の“映える”カフェにいつもいる……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/