仏教では「三」と「七」という数字を大切にする教えがあります。人が亡くなり極楽浄土へ向かう時も、この三と七の周期でお祈りをするようにしています。では、具体的にどのような周期でお祈りすればいいのでしょうか? 年忌法要とはいつ行えばいいのか。そして、年忌法要はいつまでするものなのか。この機会にちゃんと知っておきましょう。

この記事では「年忌法要はいつまでする」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
年忌法要とは
年忌法要をするときの準備
年忌法要のマナー
まとめ

年忌法要とは

年忌法要とは、毎年訪れる祥月命日(しょうつきめいにち)にお参りするのではなく、定められた年に行う法要のことです。定められた年は十三仏信仰から由来しています。

法事と法要の違い

法事と法要は、同じ意味ではありません。まず、法事と法要の違いを知っておきましょう。法事とは、広く仏教行事全般のことをいいます。例えば、お盆やお彼岸の供養なども含めたものです。法要は亡くなられた命日に故人の冥福を祈り、供養する行事のことをさしています。つまり、法要は法事の中の一部の行事で、法事は法要がすべてではないということです。

年忌法要と忌日法要

法要は、亡くなられた命日に、故人の冥福を祈り供養するものですが、毎月の命日や毎年一回の祥月命日に営むものではなく、仏教により定められた年に行います。

その定められた年に故人の冥福を祈り、供養する行事が年忌法要です。一方で、亡くなられて1年未満の法要は、忌日法要といいます。亡くなられて49日目にあたる四十九日法要、100日目にあたる百箇日法要などは忌日法要にあたります。

年忌法要の数え方

亡くなられて、ちょうど1年後の祥月命日にあたる日に法要を営みます。それを「一周忌法要」と呼びます。そして次に営まれるのが「三回忌法要」です。この「三回忌法要」ですが、実は亡くなられた3年後の祥月命日に営むものではありません。「三回忌」以降の数え方は、実際に亡くなれた日を1回目と数えます。三回忌は3回目の祥月命日、つまり2年後の祥月命日にあたります。

年忌法要はいつまで続く

以降、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と続きます。一般的には三十三回忌で弔い上げ(とむらいあげ)をします。弔い上げとは最後の年忌法要のことです。弔い上げをすると、亡くなられた方の罪はすべて浄化される、といわれ、それ以降は法要を営み、故人を供養しなくてもよくなるという考え方です。宗派によっては、そもそも弔い上げという概念がないものや、五十回忌で弔い上げとされるものもあります。

弔い上げの後

弔い上げをした後は、位牌を片付けます。弔い上げすると先祖代々の位牌に移る、といわれています。位牌だけでなく、仏壇もしまわれる方もおられます。位牌は寺院で焚きあげていただきましょう。仏壇は閉眼供養を行ってから片付けます。

墓じまいをして、菩提寺にて永代供養をしてもらうことや、合同墓に合祀して永代供養をしてもらうことも、可能です。弔い上げの法要も大切ですが、弔い上げした後のことも色々と決めることがあります。

年忌法要をするときの準備

年忌法要での準備や段取りについて解説します。

最初の年忌法要は、一周忌法要となります。亡くなられた翌年の祥月命日に法要を営みます。法要は祥月命日が休日でない場合は、週末などに行われることが多いようです。親族を中心に集まることが多く、親しかった友人をお呼びすることもあります。

日にちが決まったら、お寺との調整を行います。参列いただく方をどなたにするか決めて、葬儀会館やお寺など会場の手配、お斎と言われる会食の段取り、参列に対するお礼の引き出物を選んで準備をします。

当日は下記の段取りで法要が執り行われます。

・僧侶の入場
・施主の挨拶
・僧侶の読経
・焼香
・僧侶の法話
・施主の挨拶
・墓参り(お墓が近い場合のみ)
・お斎(会食)

僧侶の法話はない場合もあります。僧侶に確認しましょう。また、施主の挨拶も場合によっては必要ありません。

これ以降の年忌法要もだいたい同じ内容ですが、七回忌以降は規模を小さくされる方も多く、服装も平服で執り行われます。

年忌法要のマナー

法要へのお招きを受けたら、出欠の予定はなるべく早くお返事をいたしましょう。特に法要に出席できないときは、ご遺族の段取りの都合がありますのでなるべく早く返事をします。

香典とお供え

施主からあらかじめ「香典を辞退する」という趣旨の意向が無い限りは、「香典」は持っていくようにします。封筒の表書きは「御供」、もしくは「御供物料」「御仏前」と書かれたものを選びましょう。金額は一概に決まりはありません。故人との関係性で決まります。また、お供え物をする場合は、「香典」を持参しなくても構いません。どちらか一方でも大丈夫です。

服装

特に指定がない限りは、黒か濃紺の略礼装か喪服でお伺いするようにしましょう。七回忌以降は平服でも構いません。法要での平服は略礼服のことをいい、喪服ではなく普段来ているブラックや紺、ダークグレーなどの色のスーツのことを指します。男女ともに持ち物や靴なども、黒のものを意識して派手にならないように気をつけましょう。

年忌法要のお布施

お布施は、僧侶に対するお礼を意味します。金額は決まったものはありません。相場としては1万円から5万円程度とされています。それ以外にお車代として5,000円、御膳料として5,000円を目安にお渡ししましょう。

現金を入れる封筒は半紙に包んだ上で奉書紙の上包みの折り方が丁寧です。ない場合は水引のない無地の白色封筒でも構いません。ただし、郵便番号枠のない無地のものを選びましょう。

表書きは普通の濃さの墨(もしくは筆ペンなど)で、「お布施」もしくは「御布施」と書き、その下に施主の姓名もしくは●●家と書きます。

まとめ

年忌法要は三十三回忌法要でほとんどは弔い上げをされるようです。最近では家の事情などで十七回忌でも弔い上げをされる方もおられるようです。大切なのは故人を想う気持ちと毎日の供養。手を合わせ、冥福を祈り続け、生前の感謝を捧げることです。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

 

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