「もうお互い楽になりましょう」結婚生活は1年で終了

婚約中の同棲のときからうまくいかない予感があったものの、今日子さんはそのまま結婚。入籍後に仲が良かった期間はなかったという。

「婚約中にすでにお互いがしんどそうな雰囲気を醸し出していましたから。結婚式の準備でも、相手からの他人事な『お前が決めていいよ』の言葉からいつも揉めていました。それでも、結婚の日が迫ってきていたので、キャンセルなんてできなかった。

結婚式では両親の幸せそうな顔を見て、うまくやらなければと一度は決意を固めたんです。でも、新婚旅行中にはケンカしてしまっていましたからね。無理かもしれない……という思いがずっと旅行中はつきまとっていて、まったく楽しくありませんでした」

一緒に暮らし始めると些細なことも気になってくる。ドアの隙間、ペットボトルのフタを緩く閉めること、紙類の消費量の多さなど、知っていたはずのクセも許せなくなっていった。

「週に一度のことが毎日続くと、こっちの負担が単純に7倍になる。ペットボトルのフタを緩くしめるクセも知っていたけれど、毎日だとイライラしてきます。それを限界がきたときだけ注意するようにしていましたが、相手はしばらくすると同じことを繰り返す。相手からも付き合っていたときは言わなかったのにというイライラが伝わってきていました。

その中で一番許せなかったのは、独身時代と変わらない友人付き合いです。毎週のように夜通し飲みに行って、しかも次の日の夕方ぐらいに帰ってくるんです。それを注意したら『お前もしていいよ』と。そういう問題じゃないのに、まったくわかってくれませんでした」

今日子さんはいつしか夫の顔を見るとイライラするようになってしまう。その態度に気づき、夫のほうから「結婚しなかったほうが良かった?」と聞かれたという。

「何も返事をすることができませんでした。そしたら『もうお互い楽になりましょう』と離婚をしたいと言われました。一旦別居してみるという話も合ったんですけど、お互いまだ若いから時間の無駄ということになって……。入籍してから1年で終わりました」

離婚後は職場内の噂もあり、退職することに。新しい夫とは転職先で出会うも、恋愛関係になる前の友人期間は10年にも及んだ。その10年の間に相手は結婚して子どもに恵まれ、そして離婚に至っていた。

~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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