取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「初めて出会ったときのあの子は挨拶もろくにできなかった。一緒に暮らし始めると、その他にも問題はいっぱいあったので一生懸命子育てを頑張ろうとしていたのに、夫は何も聞いてくれません」と語るのは、今日子さん(仮名・43歳)。26歳のときに結婚したがその1年後に離婚を経験。元夫からは「お互い楽になりましょう」と言われたという。

今の父は育ての親。血のつながらない私たちを可愛がってくれた

今日子さんは神奈川県出身で、両親と3歳下に妹、8歳下に弟のいる5人家族。現在の父親は母親の再婚相手。今日子さんと妹の父親と母親は今日子さんが幼稚園に入る前に離婚していた。

「前の父親とは離婚後に交流はなく、あまり覚えていません。今の父は私たち姉妹のことも可愛がってくれましたし、大好きです。妹は前の父のことを覚えていなかったのですが、妹が小学生のときに私も含めて本当の父親じゃないことを父は自ら話してくれました。それを聞いても、妹は『いなくなっちゃったりしないんでしょ?』とあっけらかんとした感じでした。今一緒にいてくれることだけがすべてだったんだと思います。それくらい父親に懐いていましたから。

母が強く反対することにでも父はいつも私たちの味方になってくれました。結婚式のときなんて誰よりも泣いていました。……そんな父に離婚したのを言うのは辛かったです」

一度目の結婚は大学から付き合っていた同い年の男性と。プロポーズをOKして婚約中に一緒に暮らし始めたときから、すでにうまくいかない予感があったという。

「ずっと付き合っていたけれど、お互い一人の時間も大切にしようということで会うのは週に1日ぐらい、週末は月に一度ぐらいは一緒に過ごそうと決めていたぐらいでした。それがいけなかったのかもしれません。月に一週間ぐらいしか一緒にいなかったくせに、相手の全部を理解したつもりになってしまっていました」

【「もうお互い楽になりましょう」結婚生活は1年で終了。次ページに続きます】

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