取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
今日子さん(仮名・43歳)は26歳で結婚してその1年後に離婚。婚約中の同棲から徐々に仲は険悪になり、「もうお互い楽になりましょう」と相手から言われ、苦しかった生活は終了した。【~その1~はコチラ】
元妻が残していった犬をきっかけに恋愛関係へ
1年で離婚したという事実が職場内で噂となり、結果、仕事を辞めることに。先輩から新しい仕事先を紹介してもらい、その転職先で出会ったのが、今の夫だという。
「私は化粧品などを扱うサイトの運営などをしていたのですが、職場のほとんどが女性で、噂なんてあっという間に広まってしまいました。結婚で浮かれていたこともあって、会社の人も結婚式に参加してもらっていましたし、新婚旅行のお土産とかも盛大に配っていましたからね(苦笑)。
居づらそうな私に先輩が手を差し伸べてくれて、転職先を個人的に紹介してもらい、今の夫と出会いました。最初から異性として気になっていたわけでもなく、同い年で気があっただけでした。10年の友人期間で結婚して、子どもができるのを見ていたけど、何の気持ちの変化もありませんでした。離婚したときなんて同情したほどです」
今の夫の一度目の結婚は29歳のときで授かり婚。子どもが産まれた後もしばらくは順調だったものの、妻が仕事に復帰することになってから揉めだし、最後には元妻は育児放棄、シングルファーザーになった。
「育児放棄を詳しく聞いていたわけじゃないですけど、保育園の呼び出しでバタバタしている姿をよく見ていました。その頃には仲は悪化していたようで苦笑いを浮かべながら『俺によく似ているから、妻は(息子のことが)可愛くないんだって』と言っていました」
今日子さんと恋愛関係になったきっかけはペット。夫は結婚していたとき、元妻が連れてきた小型犬を一緒に飼っていたそうだが、離婚後の元妻の移住先のマンションでは飼えないということで夫側が引き取ることに。今の夫が、地方にある実家に帰省するときには今日子さんが預かるようになり、そこから仲が急接近したという。
「離婚前までは妻側の友人に預かってもらっていたみたいです。ワンちゃんを通して私の家に来るようになって、そこから親しくなっていきました」
【一緒に暮らし始めたら、何もしようとしない息子だった。次ページに続きます】