働くことも、子どもも望めず、ただ夫の帰りを待つだけ

夫は職場の先輩。まどかさんは飲食チェーンを展開する企業に就職し、最初の配属先は店舗スタッフだった。働き出して2年後に別店舗に異動となり、その異動先で働いていた夫から、知り合ってすぐに猛アピールを受けた。

付き合いだしたのはその1年後。出会った当初はまどかさんには大学時代から別に付き合っている男性がいたが、相手からフラれてしまい、傷心を慰めてくれた存在だったという。

「最初はこの人と付き合うのなんて無理だろうなって対象外だったんですけど、フラれた直後は誰でもいいから側にいてほしいと思うようになり、たまたま隣にいたのが夫だった。

付き合っていく中でちゃんと好きになりましたよ。でも、まだまだ結婚なんて考えていなかった交際期間1年弱のときにプロポーズをされて、当時はすごく悩みました。でも、相手から『結婚か、お別れ』と選択を迫られて、結婚しました。夫は相手の意見よりも強引に自分の意見を押し通すタイプだったんです」

結婚を選択して、2人はその半年後に入籍。まどかさんはそのまま夫と同じ職場で働くことを希望したが、「離婚か、仕事をやめる」の二択で仕事をやめることに。専業主婦を強いられたことが、結果的には離婚理由になったという。

「働くことが好きだったから相当揉めたんです。そしたら、『離婚か、専業主婦』を選択させられて……。仕事を奪われて、社会とのつながりがなくなったことで毎日が鬱々とした気持ちでした。そんな虚無感をなくしたくて、子どもを求めたんです。新婚時代は夫婦生活も普通にあったんですが、1年後には2~3か月に一度、2年後には年2~3回となり、すべて夫の気分次第。なかなか妊娠しませんでした。

だから、子どもについて話し合ったんです。そしたら、『自然にできないならそういうことだろう』と。じゃあ働きに出たいと訴えても頷いてくれませんでした。このままずっと夫の帰りだけを待つ人生が我慢できなかったんです」

「子作りに協力してほしい」と訴えると夫は新たな二択を提示してきた。
~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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