取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った香苗さん(仮名・37歳)は35歳のときに結婚して、現在は夫とは別居婚を継続中。不仲ではなく、結婚当初から別居婚が前提だった。

「職場では個人ごとに仕事が割り振られて、社内で協力ではなく、外部と協力でやり遂げるというスタンスでした。仕事は終わりさえすればどこでやってもよかったので、寝ないと終わらないような量のときは移動時間さえもったいないからずっと家に籠ります。相手も同じような生活で、家が職場だったんです。だから、別居婚を選択しました」

自立している夫が急にいなくなった

プロポーズは特になく、結婚は周囲の雑音をなくすというメリットのため。香苗さんは母親や親族からの結婚コールに逃れたかったからで、夫側も母親を安心させたかったからだという。

「付き合いが長くなると、お互いの親族からの圧力があるわけで、もう世間の流れにまかれようかという感じで結婚しました。もちろん好きという感情もありましたし、一緒にいて干渉されないから楽だったし。家も別、財布も別、土日に会わないといけないなどの決まりも作らず、生活は結婚前となんら変わりはなかった。

職場が一緒だと入籍してから色々面倒な手続きも多かったこともあり、私は結婚を機に独立しました。変わったのはそこだけでした」

夫も遅れること10か月で独立。フリーランス夫婦の生活には不安がありそうだが、香苗さんは「元々夫に頼る気がないから気にならない」とのこと。そんなフリーランス夫婦の生活のバランスは夫が働かなくなったことで一変した。

「夫は張りつめていた糸が切れたみたいに別人になりました。働かなくなり、私との会話もままならないように。病院に行こうと誘っても断られていたのですが、義母が連れて行ってくれて、うつ病だと診断されたとのこと。

そこで義母と私で話し合い、どちらかが夫と一緒に暮らすべきということになり、私が何も言い出せずに困っている空気をくみ取ってくれて、義母が夫と暮らすことになったのです。義母は隣県で仕事をしていましたが、それをやめて夫と暮らし始めました。だから、私は夫と義母の生活の面倒を見るようになりました」

【夫に加え、義母も養うことに 次ページに続きます】

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