40代から上の世代の「モテる男性の条件」

登山時に知り合いがいないことを確認したのでしょう、下山時はさらに大胆になっており、時々手をつないだり、ロープウェイでキスしたりと、なかなか親密です。時折、史跡らしきものの前で夫は解説して、女性はふんふんと聞いている。

会話から2人は先生と教え子の関係で、夫が再就職した教育関連団体で再会。女性の方から好きになってしまい、積極的にアタックしてデートに持ち込んだようでした。

女性には子供がおり、長女は勉強もスポーツもできるけれど、下の長男のほうはさっぱり。ずっと家でゲームをしていることが悩みだと語っていました。その話を夫は真剣に聞いており「これは女性も好きになってしまうよな」と思ったのです。この調査をしていて感じるのは、40代以降、女性側から積極的にアプローチされるほどモテる男性の必須条件は、話を聞くことが上手なこと。

その後、女性が積極的に手を引くようにして、近くのラブホテルに入って行きました。その出入りを押さえた後、2人を尾行し、女性の自宅を特定。それは依頼者・真理子さんが住む駅の反対側にある、あきらかに家族4人で住んでいる一戸建てでした。

真理子さんに調査結果を見せると、「この人、うちにも遊びに来たことがある人です」と驚いていました。さらに「この方のご主人も、確か先生だったはず……」とも。

かなりショックを受けており、これからどうしたいかを伺うと、「調査は勢いでお願いしてしまったようなところもあります」と静かに泣いておられました。気持ちが落ち着くのを待って、これからどうしたいかを伺うと、「夫婦の関係を維持し、以前のように波風が立たない家に戻したい」とのことでした。

それならば、浮気の事実を飲み込み、避妊具を見つけたことを「なかったこと」にして、夫に接すればいいのです。調査を行うと、事実を知って、まずはスッキリします。その後、それをどう使うかが重要。なぜなら証拠は夫婦のつながりを断ち切り、お金を含めた条件を優位にさせる武器だからです。

真理子さんが「なかったこと」にすると、夫は以前の穏やかで優しい人になりました。でも、女性と会っている気配がある。潔癖な真理子さんはそれにガマンならず、女性に離れてもらうようにお願いに行ったそうです。

「女性はとてもびっくりしており、私に申し訳ないことをしたと詫びてきました。そして、“私がこうしていることは、絶対に家族に知られたくないんです”と言い、主人と別れることを約束。そして、調査にかかった費用を聞いてきて、それ以上のお金を振り込んできました」

もっと修羅場になると思ったら、あまりに呆気なく驚いたそうです。

お互いに家庭がある人……いわゆるダブル不倫の調査も増えているのですが、経済的に安定している夫婦ほど、その関係を維持する傾向があります。恋愛はレジャーの一環なのかもしれません。結婚や恋愛もまた人間関係であり、「金の切れ目が縁の切れ目」だと感じるケースは、コロナ以降は特に増え続けています。

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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