義両親のプレゼントしてくれた家のせいで夫のモラハラが始まった
義両親が購入してくれた分譲住宅は義実家から徒歩圏内の場所。夫は高校の同級生だけあって日菜子さんの実家からも遠くない距離にあった。しかし、引っ越し作業などの最中、日菜子さんは流産してしまう。
「早期流産で、染色体異常だったと医師から伝えられたのですが、辛くて仕方なかったです。義母が『引っ越しなんてさせてしまったから』と泣いて謝ってきて、それに対して元気なフリをするのも辛かったですね。
子どもがいなくなる5日前に入籍していたので、そのまま用意してくれた家での夫婦だけの生活が始まったのですが、思っていた幸せな結婚生活とは全然違いました」
結婚しているのに夫の生活は独身時代と変わりなく、付き合いだと次の日まで飲みに出ることも多かった。そのことが原因でケンカする度にお互いが「結婚するんじゃなかった」と口に出していたという。結婚からわずか半年で「じゃあ本当に離婚しようよ」と先に言い出したのは夫のほうだった。
「夫の実家からお金を出してもらった家だからか、夫は付き合っていたときよりも上からの発言が増えていました。私もまだ仕事を辞めていなかったのに家事のほとんどをやることになっていて、その度に『キレイな家で何不自由なく生活できるんだから』とか『料理しがいのあるキッチンでいいだろう』とか言ってくる。
ケンカになると、お互い手だけは出さないとセーブしていたけど、抑えていたのはそこだけ。感情に任せての汚い言葉だらけでした。離婚という言葉が相手から出たときも、驚きよりも先に言ってやりたかった! って思いましたから」
お互いの両親の説得もあり、しばらくは離れて暮らすことになるが、関係は修復せずに結婚生活は同居半年、別居1年2か月で終了した。
そこから10年以上独身生活を経て、職場を通じて知り合った同じくバツイチの3歳上の男性と付き合うことに。相手は離婚していたと確かに言っていたが、実際は別居中だった。相手と結婚の約束をしたときに、2年もの不倫をしていた事実を知る。
一度目の嘘は“離婚していなかったこと”。それ以上に受け入れがたかった二度目の嘘とは?
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。