マッチングアプリで出会った妻
妻の才覚もあり、会社は急成長。3人の子供たちも成績優秀で、東京の大学に進学し、海外留学も経験。子供たちは現在40代で、ビジネスの一線で活躍している。
「妻が亡くなった時に、嫁や婿も含めてみんなで集まった。僕が落胆しているから、お目付け役として、大学生の孫が住み込んでくれたんです。孫が“じいちゃん、そんなにばあちゃんが死んでつらいなら、マッチングアプリをやってみなよ”と教えてくれた」
孫はあっという間に登録。光男さんは見た目も若くて男ぶりがよく、高級車を所有して家もある。そんな好条件の光男さんには、女性からの「いいね」が殺到。開始後数日で、熱烈なオファーを得て、今の妻と知り合う。
写真を見せていただくと、妻は56歳とのことですが、40代後半に見えるかわいらしい美人。普通の服を着てるのにとても胸が大きく、危うい部分がある魅力的な女性です。
「今の妻はシングルマザーで、その息子は30歳。メンタルの病を抱えており、その治療が落ち着いてきたので、出会いを求めてマッチングアプリに登録したと言っていました。実際に会うと、会話も楽しくて、若々しくて、本当に素敵だと思いました。アプリの画面を見せてもらうと、多くの男からの“いいね”がある。他にも候補者がいると感じ、2回目のデートのときにプロポーズしたのです」
光男さんは今の妻に一目惚れをしてしまう。妻一筋だった男性にはよくあることです。また妻は生活に困窮していた。息子に迷惑をかけたくないと都内の風呂なしアパートに住んでいた。
「彼女の男性遍歴の話を聞いていると、私は妻に対しては、十分な生活をさせることが出来ると感じました。だからこの不幸な女性を幸せにしてあげたいと思ったのです」
妻を家に呼ぶと、真っ先に亡くなった妻の仏壇に手を合わせ、線香をあげた。光男さんはそこに感動してしまう。たまたま家にいた孫に「じいちゃんはこの女性と結婚する」と紹介する。それを知ると3人の子供たちは「とんでもない」とすっ飛んできた。反対をされればされるほど盛り上がるのが恋心。光男さんは子供の反対を無視して、妻と入籍してしまう。
「入籍から1か月後に、妻が引っ越してきてくれました。これが新婚生活かと、今までで一番幸せでした。でも、結婚半年もしないうちに、家を留守がちになる。“息子の家を掃除に行く”などと理由をつけては家を出ることが多く、時には外泊もしている。僕の会社を継いでいる娘にグチを言うと“だから言ったじゃない”とバカにする。冷静に考えてみると、なぜ妻が僕と結婚したのかがわからない」
光男さんは結婚1年で、妻に500万円ほど使い込まれている。娘から「あいつは後妻業の女よ。お父さん、全部吸われた後に取り殺されないようにね」とバカにしたように言われた。
「そこで、山村さんに調べてもらいたいのです。子供たちも友人も離婚を勧めています。私自身も冷静に考えると、不審な点があることに気付いてきたのです。妻が何をしているのか調べてください」
【妻が入り浸っていたのは、息子の家ではなかった……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/