今や「クラウド」という言葉はIT用語として広く社会に浸透しました。これに伴い、写真や文書等のデータもクラウドに保存する傾向が強まっています。データをクラウドに保存するのはこれまでとどう違うのか、使うとすればどのようなサービスがいいのか。今回はそこに触れていきたいと思います。

目次
クラウドストレージとは
無料クラウドストレージを選ぶポイント
おすすめの無料オンラインストレージ7選
最後に

クラウドストレージとは

クラウドストレージとはクラウド上で提供されているストレージサービスのことです。インターネット上に写真や文章などのデータを保存することができます。まるでファイルが手元にあるかのようにインターネット経由でどこからでも端末を問わずアクセスが可能。オンライン上でそれらを閲覧したり編集したりすることもできます。

無料クラウドストレージを選ぶポイント

クラウドストレージのデータ容量や料金プランは実に多様。そこで以下の5点を基準に比較されてはいかがでしょう。

▷データ容量と料金プラン

特に写真や動画ファイルなどはデータ量が大きいため、数が多いと保存容量が足りなくなることもあります。「どれくらいのデータ量までなら無料で保存できるか」ということを念頭に比較すればいいでしょう。

▷データの保存期間

サービスによっては、一定期間の間ログインをせずに放置しておくと、アカウントが停止または削除されてしまうケースがあります。このようなサイトを選んだ際には、定期的にログインするようにしましょう。

▷セキュリティ対策

ユーザーIDやパスワードが漏えいすると、第三者が自由にデータを閲覧可能な状態となります。2段階認証や暗号化といったセキュリティ対策をしっかりと講じているかどうか見極めるようにしましょう。

▷対応端末

OSや端末を制限しないサービスを選びましょう。自分だけではなく顧客や友人などとデータをやり取りする際にも便利です。

▷拡張性

クラウドストレージサービスの多くは有料で拡張できます。ストレージ容量がどの程度まで拡張できるのか、また有料プランならどれほどのコストがかかるのかも比較しておくことが重要です。

おすすめの無料クラウドストレージ7選

おすすめの無料ストレージは次の7つです。それぞれの特徴を比較しながら、選択の際の参考にしてください。

▷Googleドライブ

Googleアカウントがあればすぐに使える、Googleのクラウドサービス。使用端末にも制限がありません。個人が無料で利用できるのは15GBまで。有料プランに加入することで容量を増やすこともできます。

また、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートといったGoogle提供のコンテンツ作成アプリのファイルも作成・保存すると、自動的にGoogleドライブへ格納されます。それらの閲覧・編集も可能です。

注意点もあります。かつてはGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム等のデータは15GBの容量には換算されず、無制限に作成できました。しかし、2022 年 5 月 2 日以降に作成・編集されるファイルは、容量に計算されます。また、GoogleドライブはGメールの保存にも使用されるため、メール数が多い場合には上限に達してしまうこともあります。注意しましょう。

▷OneDrive

OneDriveはマイクロソフトが提供しているサービスで、Microsoft アカウントが必要です。Word・Excel等のオフィスソフトで作成したデータをクラウドに保存するサービスで、わざわざOneDriveを開かずに直接オフィスソフトから閲覧・編集できるのが特徴です。自動保存機能と連携することにより、編集した内容が即座にOneDriveに保存されるようになるのも大きなメリットと言えるでしょう。端末を問わずアクセスでき、共同編集も可能です。

無料プランは5GBですが、月額200円ほどで有料プランの契約も可能。さらに、Microsoft 365 Personal(月額1300円ほど)に契約すれば、1TBまで容量を拡張でき、Word・Excel等も最新の状態で利用できます。

▷Dropbox

Dropboxは指定したフォルダ内のファイルを自動でバックアップ、複数のパソコン間で自動同期させることもできます。自宅のパソコンと会社で使うパソコンで、同一のファイルを参照したいという場合にも使えます。

なお、オンラインストレージは2GBまで無料で使用可能。それ以上のファイルを同期する場合は有料で、料金は2TBまでが月額1,200円などのプランが用意されています。なお、無料版ではパソコンやスマートフォン(以下スマホ)などを合わせて3台までしか接続(登録)することができません。

▷Amazon Drive

Amazonのアカウントがあれば、無料で5GBまで使えます。接続台数は無制限。Amazonの有料会員「Amazonプライム」に加入していれば、画質を維持したまま写真を無制限に保存することができます。

▷ MEGA

無料で使えるデータ量としては大容量で、20GBも利用できます。さらに特殊な暗号化技術により、安全にデータのやり取りが可能です。無料アカウントの場合、アクセス(利用)がない状態が3か月以上続くと保存していたデータとアカウントが削除されてしまいます。定期的にログインするようにしましょう。有料版では消えることはありません。

▷ Box

Dropboxとよく似た名前ですが別のサービスになります。無料で10GBまで保存ができます。ブラウザ上でオフィス系ソフトが使えるのも特徴の一つで、「誰がいつ、どのファイルを共有、編集したか」といった履歴を一目で確認することができます。セキュリティの高さに定評があり、7段階ものアクセス権限の調整が可能。欠点としては無料アカウントの場合、250MBを超えるファイルのアップロードができません。

▷ iCloud

写真ファイルやスマホの設定情報などをiCloud上へ保存でき、端末を替えた場合も簡単にバックアップと復元作業を実行できます。バックアップ機能がメインとなり、利用できる端末はiPhone・iPad・Macに限られます。5GBまでなら無料です。

最後に

クラウドストレージのサービスはたくさんあります。どれも優れたサービスですが、それぞれに一長一短があることが伝わったのではないでしょうか。ビジネスで使うなら、ブラウザでオフィスソフトのファイルを編集できる機能はあった方がいいかもしれません。アクセス権限を調整できる機能もほしいところです。

どのクラウドストレージが自分の目的に合っているかについて、本記事が比較の参考になれば幸いです。クラウドストレージのプラン内容は容量・料金が過去と異なっているケースもありますので、最新記事や公式サイトを見て新しい情報を得るのも忘れずに。

●構成・執筆/吉河 光祐(よしかわ こうすけ|京都メディアライン・https://kyotomedialine.com/ FB

都内のIT企業にて、クーポン販売サービスや美容医療チケット販売サービスのウェブとアプリ二つの開発保守に従事している。

 

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