困った人を見捨てられない漢気にホレたけれど……

離婚から10年間、無我夢中で仕事をしていた早苗さんは、バカンスで訪れたハワイで夫に出会う。

「ナンパされたんです。当時私は40歳、主人は35歳でした。仲良くなって、“日本で会いましょう”と言われて電話番号を聞かれたのですが、もう会うこともないだろうし、旅の恥はかき捨てだと思って、私はウソを教えたんです。そしたら1年後に東京で主人にバッタリ会ってしまった。それも銀座のティールームで隣の席だったんですよ。スーツを着ている主人はカッコよくて、この時は私が好きになってしまった」

その後、2人は付き合うことになり、やがて結婚。早苗さんの実家がお祝いに家を買ってくれたが、そこにハワイ時代の知り合いをどんどん連れてきてしまう。

「困った人を見捨てられないんですよ。“家がない? じゃあ、俺んちに来い”ってね。当時は助け合って生きるところもありましたから。そういうところが好きになったんです。でも浮気も散々されましたよ。離婚の話も何度も出ましたが、“見捨てないでくれ”と泣かれて仲直り」

ホレた弱みもあって、早苗さんが夫の生活の面倒を見ていたのです。早苗さんは父の後を継ぎ経営者として活躍。夫も仕事はしていましたが、お小遣い程度の稼ぎしかない。コンプレックスがあるからか、時折偉そうな態度を取ることもあり、早苗さんの実家に借金を申し込みに行くこともあったそうです。

「10年ほど前から、年齢のせいか浮気も減り、やれやれと安心していたのですが、最近怪しい。主人は女の子を見るとすぐにちょっかいを出すんです。女友達だけではなく、近所のコンビニの店員さん、歯医者さんのスタッフなどにも小さなプレゼントを配りまくっている。そのうちのひとりから、“ご夫婦で長野に行ったんですね。お土産ありがとうございます”と言われたんです。でも私には全く身に覚えがないんです」

そこで夫の様子を観察すると、「実家の墓じまいをする」と頻繁に出かけている。実家は群馬にあり、それまではさほど行っていなかったのに、最近は泊りがけで行っているのだとか。

「理由を聞くと、“ヨシオ(幼なじみ)が話し相手になってほしいと言うから”と言うんです。女性ばかり興味を持っていた主人が、男性に寄り添うわけがない。そう思っていると、“これがヨシオと俺”と写真を見せてきた。主人は若々しいですが、ヨシオさんはいかにもおじいちゃんという感じ。それなのに一緒に写真を撮るなんておかしい」

早苗さんはこのことを懇意にしている占い師に相談します。すると「これは浮気していますね。あなたは今までよく頑張りました。もう自由になりましょう」と言ってくれたんです。そこで、やっと踏ん切りがつきました。

【家の最寄り駅に停まる白い車とその正体……~その2~に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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