コロナの間は自宅にいたが、自ら家庭内別居的な状況をつくる

海外出張に行けなくなってしまった、コロナ禍の生活について話を伺うと、「書斎にこもって仕事をしていましたよ」と言います。

「住まいはマンションなんですが、かつての外国人向け住宅だったので広いんですよ。基本的に書斎にこもって仕事をしていました。もちろん、食事のときは一緒にいましたし、妻と一緒に買い物や食事もしていました。悪くはない関係だったと思います」

しかし、その頃から異変を感じていた。

「妻がちょくちょく家を出て、3時間くらい帰ってこないんです。特に用事があるわけではないのに、家を長く空け、時には朝帰りすることもある。妻に聞くと、実家に行っていたという」

いちど、尾行をしようと思ったこともあったけれど、自分をみじめに感じてやめたそう。

「妻は車で出かけているようなんです。僕は運転が苦手なので追い続ける自信もない。そうこうするうちに1年が経過し、いよいよ妻の外出が激しくなってくる。家にいるときも、心ここにあらずで、ボーッとしているんです」

妻は俊夫さんの一回り年下の50歳。十分に恋愛を楽しめる年齢であり、写真を見せていただくと、かなり美しい。陶器のような肌に大きな瞳、小さな顔を縁取るように豊かなロングヘアをまとめています。

「あまり大胆なことをするタイプではないのです。それにもう、50歳ですよ。恋愛なんて絶対にしていません。そういうタイプじゃないんです。どちらかというと、目立ちたがらず控えめなタイプ。実家も昔ながらの教育をしており、お父さんが家に帰ってくるまで家族は夕飯を食べなかったそうです。そういうしっかりした家に育てられた人だから好きになった。そして今までずっといい生活をさせてきた。私は、おかしな宗教とかセミナーにハマっていないかどうかを心配しています」

俊夫さんはなんでも単刀直入に聞くタイプですが、妻に対してはできないといいます。

「妻はおとなしい人なんですが、怒ると娘を巻き込んで無言になる。昔、私立小学校を受験する娘に対して、“公立に行った方が、いろんな人と知り合いになれるのに”と進路に口を出したことがあったんです。あのときは、3か月以上口をきいてもらえないことがありました。完璧に家事はしているのに、会話だけがない。あれは怖いですよ」

今、話を聞く限り、俊夫さんは妻が浮気をしているとは思っていない。ただ、私は妻が浮気していると確信しました。

【たった一人の娘が告げた、孤独へとつながる真実……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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