子どもが欲しい気持ちばかりが先行した20~30代
その“しばらく”が終わりを迎えることなく、最後には「子どもはいらない」と言われてしまう。頭を下げてお願いしたこともあったが、元夫のある発言で心がポキッと折れてしまった。
「夫婦生活はあったのですが、相手は避妊を続けました。それが100%ではないということも知っていたので、そのわずかな可能性にかけるだけの日々でした。案の定、まったく妊娠しなかったので、私は元夫に頭を下げました。そのときは、相手の子どもが欲しいというよりも、とにかく子どもが産みたいと必死だったんだと思います。
頭を下げたときに元夫は笑いながら『もし子どもができても俺が可愛がれないし、いじめちゃうよ』と言ったんです。……ゾッとしました。そこから夫婦生活というか触れられるのも気持ち悪くなり、お互い話し合って別れようということになりました」
結婚生活は7年で終了。32歳のときに希望さんはバツイチになった。まだ子どもが欲しいという気持ちを捨てきれず、すぐに婚活を開始した。
「離婚後にすぐそんな活動をしたら周囲から白い目で見られてしまいます。だから周りにはもちろん、婚活相手にも2年前に離婚したと嘘をついていました。でも、その1つの嘘からどんどん嘘を重ねてしまい、結婚前提で付き合うかどうかまで進展した人もいたんですが、嘘をつき続けることに疲れちゃって、結果うまくいかなくなりました。
婚活は5年ほど続けたのに成果がまったくなくて、逆に結婚しないといけないという気持ちに押しつぶされそうになってしまって、婚活を思い切ってやめました」
結婚に焦る気持ちをやめると相手が現れるとはよく言ったもので、離婚後に勤めた先に入ってきた10歳下の男性と恋愛関係になる。
「自分が10個も下の男性の恋愛対象になるなんて思ってもみませんでした。今の夫は落ち着いていて一見30代に見えましたが、最初は適当に遊ばれるんじゃないか……と不安にもなりました。
でも、夫はストレートに愛情を示してくれて。付き合ったときには私は38歳、夫は28歳でした」
10歳上、バツイチという負い目を失くしてくれたのは反対されると思った人たちからの言葉だった。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。