「外でしてきてください」関係は夫婦からまるで友達のようになった
29歳同士で結婚し、結婚してすぐに元妻は妊娠。それを機に夫婦生活は一切なくなり、出産後も、離婚までずっと続くことになる。
「妊娠中は体調も悪そうで誘ったりもしなくなり、出産後に一度誘ってみたら『まだ体も気持ちも元に戻っていない』と断られました。そこから何度誘ったかな。最後の出来事が衝撃的すぎて、他の記憶は抹殺されていますね」
最後の記憶とは「外でしてきてください。浮気も不倫も干渉しません」と元妻から言われたことだという。
「要するに『外で処理してきてください』ということ。少しでも愛情が残っていたら、こんなこと言えませんよね。それに伴ってなのか、今までは妻がお金を管理していたのに自由になりました。家賃や光熱費などのお金は私の口座から引き落とされることになっていて、そこから『食費や子どものための貯金を最初に引き下ろすから、後はお好きにどうぞ』と。それを聞いたときに離婚の文字が頭に大きく浮かびました。
でも、家事は変わらずやってくれていましたし、子育ても一緒にするように求めてくる。会話こそ最初はぎこちなかったけれど、それも普通になって、よく言えば“友達夫婦”という感じに落ち着きました」
最初の2年間は付き合いで女性関係のお店に行くことはあったものの不倫はしていなかった史郎さんだったが、転職先で出会った2歳下の女性と関係を持ってしまう。その不倫は「割り切れない、気持ちを含んだものだった」と振り返る。
「最初に好意を示してくれたのは彼女のほうでしたが、私と関係を持ちたいという感じはなくて。それにしびれを切らして求めていったのは自分のほう。そう思ったときには彼女はとても大切な存在になっていました」
「不倫は干渉しない」と言ったのは妻だったが……。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。