歴史のある温泉地には、さまざまな開湯伝説が存在し、数千年たった今でも語り継がれているものが少なくありません。温泉地に訪れたときには、そうした歴史に触れてみると、旅がさらに奥深く、楽しく感じられるでしょう。今回は、神話に関わりのある温泉を厳選して紹介します。
快適で贅沢な時間を過ごせるホテルや旅館を厳選して取り扱う宿泊サイト「一休.com」に掲載されているホテルの中から、大人の贅を知り尽くしたサライ.jp 読者におすすめしたい「神話にゆかりのある温泉宿」を厳選しました。古来より息づく神話の世界に触れ、あらためてその魅力を感じてみてください。
宿泊したいホテルを見つけたら、<一休ボタン>をクリックしてください。「一休.com」でWeb予約が可能です。
各地の名湯で心身を癒す時間をお過ごしください。
1:有馬山叢 御所別墅
情報提供/一休.com
日本三古湯の一つである有馬温泉。歴史は古く、開湯伝説は神代にまで遡ります。その昔、「大已貴命(おおなむちのみこと)」と「少彦名命(すくなひこなのみこと)」が薬草を探し求めていたときのこと。有馬の地を歩いていたところ、3羽の傷ついたカラスが水たまりで水を浴びているところに遭遇しました。数日経つと、カラスの傷が治癒しているのを見て、その水たまりを調べたところ、高い効能を持つ温泉であることを発見。これが有馬温泉のはじまりだったと伝えられています。
この有馬温泉で泊まるのにおすすめなのが、同エリアのなかでも古い歴史を誇る湯宿「陶泉 御所坊」の別邸『有馬山叢 御所別墅』です。
▷洗練されたデザインのお部屋は全室スイートルーム
1,400坪という広大な敷地のなかにあるのは、わずか10室。すべてが離れのスイートルーム仕様という贅沢さです。客室はヴィラタイプとメゾネットタイプの2種で、その両方がシックで重厚感のあるつくり。ウッドデッキが配されているので、森林浴をしながら、読書をしたりお茶を愉しんだりするのもいいですね。さらには、全室に低温サウナ「サーマルルーム」を完備。体温と同じ36度の室内では、体温調節をする必要がないので、免疫力のアップが期待できるのだそうです。
▷この宿ならではの魅力
有馬温泉といえば、やはりその効能の高い温泉を満喫しておきたいもの。『有馬山叢 御所別墅』にある離れの大浴場では、有馬温泉の金泉を掛け流ししています。その良質な温泉を存分に味わうことができますよ。また、大浴場は、江戸時代に有馬温泉にあった湯治場「一の湯」の湯殿を模したもの。こぢんまりとした浴槽ですが、風情を感じられる空間です。
なお、ヴィラタイプのお部屋には、客室温泉も配されています。有馬温泉を独り占めできるとは、まさに贅沢な経験となりそうですね。
問い合わせ先
IN 15:00~22:00
OUT 12:00
室数 全10室
ペット 不可
お子様 可
住所/兵庫県神戸市北区有馬町958
TEL/078-904-0554
おすすめプランは「夕暮れ時をゆったり食前酒で楽しむ、アペリティーボプラン」2名で税込127,600円~。
2:別邸 朧月夜
情報提供/一休.com
有馬温泉を発見したとされる「大国主命(別称:大已貴命)」と「少彦名命」は、そのほかにも様々な温泉とゆかりがある神様です。道後温泉もそのうちの一つ。古代の伊予国に関する書物「伊予国風土記逸文(いよのくにふどきいつぶん)」にも、道後温泉にまつわる逸話が記載されています。
それは、2柱の神が伊予国を訪れたときのこと。重病にかかっていた「少彦名命」を、「大国主命」が自身の手のひらにのせて、道後温泉の湯で体を温めたのだそうです。すると、「少彦名命」は元気を取り戻し、石の上で踊ったのだとか。ちなみにこの石は、道後温泉本館北側に「玉の石」として現在もなお奉られていますよ。観光の際は、こちらに足を運んでみるのもおすすめです。
▷客室露天風呂で楽しむ贅沢な湯浴み
道後温泉に来たのなら、温泉街にひっそりと佇む『別邸 朧月夜』で心身を癒す時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。『別邸 朧月夜』は、全部で19室の隠れ宿で、全てのお部屋に客室露天風呂がついています。お部屋は洋風を取り入れつつも、“和”をベースとしたデザインで、ほっと心安らぐ空間が広がります。
また、食事は「地産地消」「土産土法」にこだわり、瀬戸内の魚介や地元の食材をふんだんに使用。味はさることながら、美しく盛り付けされた料理は、目でも訪れる人を楽しませてくれます。
▷この宿ならではの魅⼒
お部屋の露天風呂もいいですが、離れの露天風呂「道後御茶屋」にも足を運んでみてください。この離れの露天風呂は渡り廊下を抜けた先にあり、向かう途中も趣たっぷり。浴場には、四季折々の自然を楽しめる「檜丸太露天風呂」と、青石を配した「岩露天風呂」の2つの風呂があります。絹のように滑らかな道後の湯を心ゆくまで堪能しましょう。
問い合わせ先
IN 14:00~19:30
OUT 11:00
室数 全19室
ペット 不可
お子様 不可
住所/愛媛県松山市道後鷺谷町4-4
TEL/089-915-2222
おすすめプランは「選べる旬の食材 メイン一品チョイスプラン」2名で税込92,400円~。
3:佳翠苑 皆美
情報提供/一休.com
神々のふるさとである出雲。その近くにあるのが玉造温泉です。こちらも、「大国主命」と「少彦名命」が発見したとされる温泉。なお、「玉造」という地名は、三種の神器の一つである八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)がこの地で造られたことが由来だそうです。玉造温泉は日本最古の温泉の一つとされ、「出雲国土風土記(いずものくにふどき)」には、「一度入れば美しくなり、再び入れば万病が治る」という記述もあるほど、日本国内でも屈指の泉質を持つ温泉です。
玉造温泉で泊まるなら、その湯をあますことなく堪能できる『佳翠苑 皆美』がおすすめです。
▷手湯に足湯、露天風呂で温泉三昧
宿に着いたらまず中庭にある「手湯・足湯」でお手軽に湯浴みを楽しみましょう。温かい湯に手や足を浸していれば、旅の疲れがすっと消えていくはずです。ほっとひと息ついたら、次は、大浴場へ。花と緑の情景を眺めながら湯浴みできる女性用露天風呂「浮舟」、木と岩を基調とし野趣あふれる男性用露天風呂「浮殿」などが完備されています。さらに、飛天の館の最上階である9階には、絶景の露天風呂も。眼下には温泉街を見下ろし、遠くには山々を見渡すことができますよ。
▷この宿ならではの魅⼒
旅の楽しみでもある食。『佳翠苑 皆美』では、日本海の海の幸や、宍道湖の幸をふんだんに使用した料理をいただくことができます。特に同宿がこだわるのは出汁。秘伝の風味豊かな出汁は、創業130年以上の歴史を経てきたからこそ生まれた味です。滋味深い味に、舌が喜ぶのを感じられるでしょう。
朝食は、和洋50種類以上を揃えたビュッフェスタイル。宍道湖のしじみ汁や、炊き立ての仁多米など、地元の食材を楽しむことができます。
問い合わせ先
IN 15:00~20:00
OUT 10:00
室数 全109室
ペット 不可
お子様 可
住所/島根県松江市玉湯町玉造1218-8
TEL/0852-62-0331
おすすめプランは「【早得60】早めの予約でゆったりのんびり」2名で税込36,300円~。
4:湯宿 草菴
情報提供/一休.com
出雲空港より近く、宍道湖の南西にある湯の川温泉のはじまりは、神代の昔。稲羽の国(鳥取県)の「八上姫(やかみひめ/やがみひめ)」は、出雲から訪れた「大国主命」と恋に落ちてしまいます。やがて「大国主命」は出雲に帰りますが、「八上姫」は「大国主命」に会うために、出雲へと旅に出ます。道中、谷あいに湯気が立ち上がっているのを発見した「八上姫」は、旅の疲れをそこで癒しました。その場所が、現在の湯の川温泉だという言い伝えがあります。
湯の川温泉は、つるつるのお肌へと導いてくれる日本三美人の湯の一つ。『湯宿 草菴』なら、その湯を存分に味わうことができますよ。
▷源泉掛け流しの温泉でつるすべ肌へ
同宿では、湯の川温泉の源泉をそのまま浴槽に供給。加温や加水、循環は一切行っていないため、その湯のパワーを直に感じることができます。館内には、美しい庭園を眼前に臨める岩風呂、石造りの露天風呂、桧の半露天風呂のほか、地元の特産品・来待石(きまちいし)を使用した貸切風呂などを完備。また、縁結びのモチーフとされる瓢箪型の浴槽などもありますよ。お好みのお風呂に浸かりながら、心身ともに安らぐ時間を過ごしてください。
▷この宿ならではの魅⼒
同館では、「古民家離れの宿」、「紫雲閣」、「癒しの宿」という3タイプのお部屋から選べます。「古民家離れの宿」は、半露天風呂を配した離れの客室。全部で2室しかなく、約12畳分の広々としたお部屋で、ゆったりとプライベートな時間を過ごせます。「紫雲閣」は、築120年の古民家を移築した風情のあるお部屋。室内には、外国のアンティーク家具と、日本の格子戸や御簾などが設えられており、和洋が見事に溶け合っています。「癒しの宿」は、全ての客室から庭園を臨むことができ、豊かな自然を感じることができますよ。
問い合わせ先
IN 15:00~18:00
OUT 10:00
室数 全17室
ペット 不可
お子様 不可
住所/島根県出雲市斐川町学頭1491
TEL/0853-72-0226
おすすめプランは「【感染予防対策を行っています】夕食は美味×健康の和食膳※コース料理ではありません」2名で税込83,440円~。
5:聴泉閣かめや
情報提供/一休.com
「大国主命」の子であるとされる「建御名方神(たけみなかたのかみ)」は、諏訪大社の御祭神です。この「建御名方神」とゆかりがあるのが、下諏訪温泉。その昔、「建御名方神」のお妃である「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」が、上社から下社に向かう際、愛用していた温泉の湯を絹に浸して持って行きました。無事、下社に着き、湯を浸した絹を置いたところ、その場所から温泉が湧き出たのだとか。これが下諏訪温泉のはじまりとされています。この逸話に基づき、下諏訪温泉は、「絹の湯」とも呼ばれています。
この諏訪大社の下社からすぐ近く、300年もの歴史を有する湯宿が『聴泉閣かめや』です。
▷文豪も愛した風光明媚な客室
『聴泉閣かめや』は、島崎藤村や芥川龍之介、与謝野晶子、与謝野鉄幹など、名だたる文豪たちに愛されてきた歴史ある旅館です。島崎藤村が愛した「富士の間」は、風光明媚な庭の景観を楽しむことができるお部屋。そのほか、露天風呂が付いた和モダンルーム、ゆったりとした造りの新館和室、諏訪大社の森に面した本館和室などもあります。どれもが純和風のつくりで、古き良き日本の風情を感じられますよ。
▷この宿ならではの魅⼒
「絹の湯」とも称される下諏訪温泉は、神経痛や筋肉痛、関節痛、五十肩などにも効能があるとされる湯。『聴泉閣かめや』では、そんな下諏訪温泉の湯を贅沢に源泉掛け流し。大浴場は、諏訪大社の森のざわめきや、鳥のさえずりなどを感じられる開放感あふれる浴場です。なお、ゆったりとプライベートな空間で湯浴みを楽しみたいという方には、地下にある貸切風呂がおすすめ。身も心も委ねれば、知らずのうちにこわばっていた身体もほぐれていくことでしょう。
問い合わせ先
IN 15:00~18:00
OUT 10:00
室数 全9室
ペット 不可
お子様 可
住所/長野県諏訪郡下諏訪町3492
TEL/0266-75-0161
おすすめプランは「【早割30】30日前までの予約がお得【かめや基本プラン】下諏訪300年の歴史と文学が香る全9室の湯宿」2名で税込38,940円~。
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今回は、「神話にゆかりのある温泉宿5選」をご紹介しました。古代史に記述がある温泉もあり、歴史の深さを感じられたのではないでしょうか。旅行時にはその温泉地や宿の歴史に触れ、悠久の時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介したプランの価格はすべて税込です。
※本記事は2022年6月3日(金)時点での情報をもとに作成しています。
提供されるサービスの内容は随時、変更になる場合があるため、各プランの詳細をご確認のうえお申し込みください。
情報・写真提供/⼀休.com
文/阿部雅美(京都メディアライン)
HP: https://kyotomedialine.com
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