ワクチンの2回目接種の後から、外出が激増
結婚1年目は「妻がいるという生活は素晴らしい」と感嘆しながら過ごしたそう。
「筑前煮とか、炊き立てのご飯とか、トイレットペーパーが補充されているとか……誰かが私が暮らしやすいように、家を整えてくれることは、涙が出るほどありがたかったです。そんな生活にも慣れて、お互いの家事分担なども築き上げていき、生活が落ち着いたころに、妻の外出が増えて行ったのです」
俊夫さんが弦楽器の練習に行く土曜日に、妻は出かけている気配があった。
「私は朝9時に家を出て、19時くらいに帰るのですが、結婚当初はその間も妻が家にいることを感じていました。しかし、1年もする頃には、その間に出かけていることを感じました。“おかえりなさい”と迎えてくれるんだけれど、何かが違う。そこで“どこかに行ったの?”と聞くと、ウチにいたという。私は妻のことを束縛するつもりは全くない。外出するときには、“何時に帰って来るの?”なども一切聞かない。だから妻は、“友達と食事する”とか、“買い物に行く”などと言って気持ちよく出かけていくのに、土曜日に限って嘘をつく」
2回目のワクチンを打った半年前あたりからは、俊夫さんの後に帰宅することもあった。
「近所に買い物に行っていたという。これは明らかにウソなんですよ。新婚1年目はあんなに信頼し合って暮らしていたのに、なぜ、妻が嘘をつくようになったのかを知りたいんです」
今回、私に依頼をしてくださったのは、妻の行動に異変を感じたため、お風呂の隙にスマホを見た。するとたくさんのLINEが入っていたという。
「そんな卑劣なことをするつもりはなかったのに、どうにも抑えられなかったんです。私は妻を愛している。でも、こんなに悲しくて不安な思いをさせられるとは思わなかった。豊かに穏やかに生きていくパートナーだから結婚したのに、そんな仕打ちってありますか?」
そう言って落ち込む俊夫さん。
探偵のカンとして、妻は浮気をしているかもしれないけれど、何らかのトラブルを抱えているのかもしれない。
「そうなんです。それも心配で、調査をお願いしたんです。外出が増えたあたりから、私の気持ちに寄り添いがないことも感じていました。妻が出かけるのは今週土曜日です。彼女の調査をお願いします。私は浮気はやめてほしいと思っていますし、付き合っている人が要るなら別れてほしい。縁あって結婚したのですから、簡単には離婚はできません。調査することで、妻とその相手が別れることにつながればいいと思っています」
【妻は繁華街の中にある、静かなバーに入って行った……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/