家が休まらない場所なのは私も同じ
七菜さんは納得いかないものの旦那さまに謝罪をして、もう一度自宅にて晩ご飯を食べてもらえるようお願いしたそう。その後、数か月は何もない穏やかな時間が過ぎますが、七菜さんが「家事を頑張っているご褒美が欲しい」とお願いしたところから夫婦の雲行きが怪しくなったと言います。
「『ご褒美って、ただの散財だろ』と言われたんです。毎日同じような生活の中で、ただ労ってほしいと思って出た言葉なのに……。『俺は毎日同じ職場で仕事をしていても、ご褒美なんて求めない』、『生活に必要なことをしているだけなのに見返りを求めるのか』って。
私が『お金がかからないようにするから、数時間だけ子どもを見ていてほしい』とお願いしても、『実家に頼め』と大声で怒鳴られて。夫は子育てに“手伝う”という感覚さえ持っていないことがわかりました」
七菜さんには今の関係を保ちたい思いがあり、実家に頼ることはできません。それからは実家に帰ったフリをして、子どもと2人でホテルに泊まることもあるとのこと。仕事を再開するために今は資格取得の勉強も始めているとか。
「離婚に向けてです。隠れて働こうかと思ったのですが、夫の会社に扶養家族の所得証明書を出さないといけないのでそれもできなくて。仕事を始めたことを知られたら離婚だと思います。だからできるだけいいところに勤めたいと思って。夫は浮気をするタイプでもないから離婚にはそれしか道がないんです。
子どもと嘘をついてまでホテルに泊まっていると息抜きにはなりますが、貯金を切り崩してまで何しているんだろうって思うときもあります」
七菜さんが実家に帰っていると思っているので旦那さまもまた頻繁に帰るようになり、家で顔を合わせるのは10日もないとか。「離婚の目標は2年後。『実家が一番落ち着く』とか嫌味が聞こえる度に、カウントダウンをして気持ちを静めています」と語ります。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。