取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った千香さん(仮名・38歳)は30歳のときに結婚して31歳で離婚。そして現在は再婚して旦那さまと2人の子どもと暮らしています。千香さんは滋賀県出身で、母親と母方の祖父母と姉の5人家族。幼い頃に父親を病気で亡くしてしまいますが、祖父母のおかげで寂しいと思うことは少なかったとか。母親が美容師だったこともあり、千香さんも美容師を目指します。勤め先で知り合った男性と交際10年で授かり婚をしましたが、結婚生活は約半年と短いものでした。
「妊娠中にケンカして手を出されたことで離婚に至りました。妊娠中の離婚だったので子どもの姓の変更手続きはなく、お産は実家の方の病院でする予定だったので大丈夫だったんですが、同時に引っ越し作業もしなければならずバタバタ。精神的にもとても不安定な時期がありました。あんなに心身に負担をかけてしまったのに、元気に生まれてきてくれたことだけが救いでしたね」
結婚前にもう子どもは望んでいないことを話し合った
今の旦那さまとは長い友人期間を経て、交際約3年で再婚に至ります。旦那さまの年齢は千香さんの8歳上。結婚したときには40歳を超えていたこともあり、子どもについてはそこまで望んでいないと言っていたそう。
「結婚の決めては子どもが懐いてくれていたこと。もちろん私の気持ちもありましたが、私の気持ちだけであれば再婚という選択はしなくてもいいと思っていました。
結婚前に、これからのこと、2人目の子どもについて何度も話し合ったことがあります。私の気持ちとしては、夫の中に、今の子と夫との間に新たにできた子への思い入れの違いが生まれるのが怖いという不安が強かったものの、それを隠して、子育てが大変なことと体力的に1人で十分と思っていると伝えました。ここで反対されたら結婚はやめようと思っていたんですが、夫自身も3人でいいと言ってくれて。夫は友人の頃から元々、結婚願望はなくて子どもが欲しいかもよくわからないと語っていた人だったので、結婚は少し不安なところもあったんです。でも、結婚生活自体はとても幸せなものとなっています」
義両親も、連れ子をとても可愛がってくれたと言います。
「子どもはすでに4歳で、イヤイヤ期は落ち着いていたものの感情の起伏が激しかったり、言うことをなかなか素直に聞いてくれなかったりと複雑な時期で、義両親と会わすときもドキドキしていたんですが、夫に懐く姿を見て安心してくれたようでした。私の子は男の子なんですが、家に伺うとミニカーのおもちゃやお菓子をたくさん用意してくれていて、息子はがっちり心を掴まれていました(苦笑)。息子だけでなく私の好みも夫から前もって聞いてくれていたみたいでケーキを準備してくれていて。本当に嬉しかったですね」
【2人目が生まれて嬉しかった。でも……。次ページに続きます】