愛人の子という事実を「それが何?」と彼は言った

大学を卒業後には飲食チェーンを展開する企業に就職。30歳のときに母親の下を離れ、仕事にのめり込む毎日だったとか。結婚を諦めていたこともあり、恋愛をすることもあったものの長続きはせず。36歳のときに女友だちとの2人飲みの場にやってきた男性と知り合います。

「卒業してから30代前半まではほぼ仕事しかしていません。20代で地域を統括するマネージャーの役職をもらって、そこからとても大変でしたけどやりがいも大きく、恋愛は二の次でしたね。

結婚は、私の生い立ちと、母親は誰かに依存していないと生きられない人で年を重ねるごとに男性ではなく私に依存してきていたこともあって、諦めていました。相手の男性が万が一受け入れてくれても、相手の両親が私を拒否するだろうと。

そんな思いもあって32歳ぐらいから誰とも付き合わずに1人でした。寂しさを紛らわすために女友だちと夜な夜な飲み歩いていたんですよ(苦笑)。そんな陰気な飲み会に来たのが今の夫で、なぜか私のことを気に入ってくれたんです」

後の旦那さまは礼美さんの10歳上。お互いに仕事が忙しく恋愛を休止中なところから意気投合して、1年の友人期間を経て付き合うことになります。付き合うときに「結婚前提」と伝えられたことが、友人期間は1年にも及んだ理由だそう。

「知り合って3か月ほどで付き合ってほしいと言われて、そのときに『結婚前提』と。たった3か月の人に自分の生い立ちを話す気にもなれず、お断りしました。そのまま諦めて友人としての関係が続くんだろうと思っていたのに、2か月に一度のペースで付き合ってほしいと言われ続けて(苦笑)。OKしたい気持ちに傾いていたときに自分の生い立ちを伝えました。そしたら、『え、それが断る理由? なんで?』と不思議がられたんです。当然のように受け入れてくれたことが本当に嬉しかったです」

2年の交際期間の中で義両親に会う機会も積極的に作られ、相手の家族はまるで「追い込み漁」のように礼美さんを結婚に追い込んでいきます。母親のことで思い悩む礼美さんに手を差し伸べてくれたのも新しい家族でした。

~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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