中学受験のリアルな姿を描いているドラマ『二月の勝者−絶対合格の教室−』(日本テレビ)が話題となりましたが、実際の保護者たちは中学受験についてどのように考えているのでしょうか。
今回「テラコヤプラス by Ameba(https://terakoya.ameba.jp/)」では、全国の小学6年生~大学4年生の子どもがいる保護者500人に「中学受験について」アンケートを行いました。
決め手は「教育内容や環境」 約3割の家庭が中学受験に挑戦!
今回のアンケートによると、「中学受験をした(する)」家庭は34.2%、「中学受験をしなかった(しない)」家庭は65.8%となりました。
「中学受験をした(する)理由」で最も多いのは「教育内容や環境が地元の中学より良いから」(44.5%)。次いで「中高一貫なので高校受験をしなくて済むから」(25.7%)でした。
また、「その他」の意見に「本人の希望」という理由も数多く寄せられましたが、注目は「地元のトップ高校が軒並み中高一貫校になったため、高校受験枠が減ってしまっているので、チャンスを増やそうと思った」という意見。
1999年4月より「生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的」として導入された中高一貫教育制度。中高一貫となった学校が軒並み難関大学への進学実績を残しており、2023年より“東京都内の公立中高一貫校”は高校での募集を停止し、全て完全一貫化となります。
茨城県では各地域の進学校を軒並み中高一貫校化しており、この流れは全国でも続くかもしれません。
受験をしなかった理由は「地元の中学で十分」「のびのび育って欲しい」など
一方で「中学受験をしなかった(しない)理由」として多く挙げられたのが「地元の中学で十分だから」という意見で58.4%と過半数を上回りました。
次いで「小学生の間は勉強漬けにならずにのびのびと過ごしてほしかった、またはほしいから」と、「その他」が同率で10.6%。
「その他」を選択した中で多かったのが、「中学受験する予定だったが本人の希望で辞めた」という意見でした。
中学受験をした理由として、「本人の希望」もあれば、その逆もしかりということでしょうか。
中学受験準備は小学校4年生、5年生からが多い
「中学受験を考え始めた時期」は、「小学4年生」が28.0%で最も多く、次いで「小学5年生」の23.8%でした。
しかし、子どもが自ら「中学受験をしたい」と言いだすとは考え難い、小学3年生以前を合計すると33.1%となり、小学4年生、小学5年生のそれぞれの数字を抜くことに。
その結果から、中学受験をしている家庭では、早い段階から保護者が下調べなどの準備をしていることがうかがえます。
「塾に通い始めた時期」は「小学5年生」が30.2%でトップ。次いで「小学4年生」で27.3%でした。
一般的に、中学受験をするのにおすすめの入塾時期は、小学4年生の授業が始まる小学3年生の2月と言われていますが、今回の結果ではわずかながら小学5年生がトップに。
小学1、2年生のコースを新設している塾も増えていますが、早くから子どもに勉強習慣をつけさせたい保護者が多い一方で、中学受験の“息切れ”を心配している保護者も多いのかもしれませんね。
中学受験前に学校を休ませるのはアリ?ナシ?
また、これから受験シーズンがピークを迎えるにあたり、話題になるのが「中学受験のために学校を休ませるか休ませないか問題」。
「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせると41.0%、「反対」「どちらかといえば反対」を合わせると38.0%とその差はわずか3.0%と意見が分かれました。
子どもが中学受験をしているかいないかに関わらず、さまざまな意見がでたので、双方の理由をいくつかご紹介します。
「賛成」または「どちらかと言えば賛成」の理由
受験シーズンはインフルエンザなどの流行期ですし、体調管理の意味でも、ある程度の期間学校を休むのは賛成。(女性・40代前半・中学受験していない)
目標があるのだからそのために小学校を休むのは正当な理由だと思います。(男性・30代前半・中学受験していない)
子どもが受験のために、勉強を頑張って来たと思うので、多少はよいと思います。(女性・40代後半・中学受験した)
「反対」または「どちらかと言えば反対」の理由
残り少ない小学校生活なのに、思い出作りの機会を失いかねない。(女性・40代後半・中学受験していない)
学校は学力をつける以外の社会性・協調性といった将来的に大切なことを学ぶ場だから。(40代後半・女性・中学受験した)
受験当日はともかく、学校を休んでも勉強しないと受からないのであれば入ったところでついていけないと思うから。(男性・40代後半・中学受験した)
親のサポートや塾より大切なのは「本人のやる気」⁉︎
最後に、子どもが中学受験を経験した(する)保護者に「中学受験で最も大切な要素」について聞いたところ、第3位が「経済力」で11.6%、「親のサポート」「塾選び」が同率2位で12.8%、圧倒的1位は「子どものやる気」で56.4%でした。
一般的には「中学受験はお金がかかる」「親がつきっきり」と、保護者の負担の大きさをイメージする方も多いはず。
しかし、この結果を見ると今後中学受験を考えている保護者は、幸せな中学受験のカギは子どもの気持ちにある、と心得た方が良さそうです。
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以前と比べて中学受験を選択する家庭が増えてきたといわれていますが、まだ3割程度に。
また、中学受験を理由に学校を休むことについては受験をしているかしていないかに関わらず、さまざまな意見が飛び交っていました。
そして、中学受験でも最も大切なのは「本人のやる気」という結果。
「合格のためにもっとも必要なのは、父親の経済力と母親の狂気」とは『二月の勝者』黒木蔵人(柳楽優弥)の決め台詞ですが、実はドラマの終盤で黒木は「合格するためにまず必要なものは本人の意思」とも語っています。
実際に頑張って勉強するのは親ではなく「子ども」であることを改めて考えさせられるアンケート結果となりました。
■調査概要
調査時期:2021年11月26日(金)~2021年12月15日(水)
調査方法:インターネット
調査地域:全国
調査人数:小学6年生から大学4年生の子どもがいる保護者500名
調査内容:中学受験に関するアンケート