取材・文/沢木文

「女の友情はハムより薄い」などと言われている。恋愛すれば恋人を、結婚すれば夫を、出産すれば我が子を優先し、友人は二の次、三の次になることが多々あるからだろう。それに、結婚、出産、専業主婦、独身、キャリアなど環境によって価値観も変わる。ここでは、感覚がズレているのに、友人関係を維持しようとした人の話を紹介していく。

別居15年ののちに、離婚をする

好子さん(56歳)は、今、シェアハウスに住む女性達との関係に悩んでいる。55歳の時に15年の別居の後に離婚したことを、話してくれた。

「30歳の時に結婚した同じ年の夫は、結婚10年目に当時の新入社員と愛人関係になり、その女性とずっと住んでいた。つまり、15年間、夫と別居していたの。すぐに愛人に男の子が生まれ、夫と義両親からも“離婚してほしい”と土下座されたり、500万円近いお金を積まれたことがあったけれど、離婚には応じなかった」

それから15年間、別居を続けてきた。好子さんはIT関連会社の事務員として就職。夫から月5万の養育費を得つつ、娘を名門私立大学に入学させた。

就職して2か月目に「ママ、この人と結婚を前提に付き合っている。これから一緒に住みたい」と大学の先輩を連れてきたときに、憑き物が落ちたようにスッキリしたという。

「娘の彼というのが、グローバル企業に勤めているんです。しかも、両親ともに世界的に活躍しているビジネスパーソン。娘も大手企業に勤務している。“パワーカップルになる”と思ったの。子供って親の作品じゃないですか。私は娘という素晴らしい作品をたった一人で作り上げた。そのときに、夫のことを吹っ切れて、10年ぶりくらいに“離婚するよ”と連絡したら、喜んですっ飛んできた」

夫は部下に手を出したことで、出世街道から外された。今は子会社に回されて、髪も薄く太って、“オッサン”になっていた。

「毛玉だらけのセーターを着て、みじめな感じでね。娘が結婚することを話すと、“よかった”と言っていました」

離婚にあたり、財産分与が難航した。別居期間中の15年間で夫の経済力が下がっていたから。騒動の後、夫は出世のレールから外れ、愛人も会社を辞め派遣社員になった。

「15年前と同じ離婚条件は無理だと言われた。弁護士を間に入れて、マンションを売ったお金(約4000万円)と、夫の貯金残高にあった100万円を全額もらうことで話が落ち着いたんです」

マンションを売ったお金で、都内の駅前にある1Kの古いマンションを購入して、賃貸として貸し出した。

「私の収入になるし、いつかは終の棲家にしようと思いました。私の会社は65歳が定年なので、ルームシェア……というか、いろんな人が1つの建物に住みながら、交流もできるソーシャルアパートメントに住もうと思ったのです」

【孤独死の恐怖と、娘の将来の足かせになりたくないという思い…次のページに続きます】

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