すぐに後悔したが、妻からの容赦ない反撃を止めることはできなかった

そういえば、自分で年賀状を書かなくなったのはパソコンを使うようになってからだ。年賀状ソフトに200近い宛先リストを打ち込んだのも、住所変更があるたびに小まめに上書きしてきたのも、すべて妻だった。

その妻に対し、どうしてつまらないイヤミを言ってしまったのだろう。林田さんはすぐに後悔したが、容赦ない反撃を止めることはできなかった。

「みぞおちに連続パンチでした。痛恨の極みです」

応酬の言葉を思い出しながら、林田さんはみぞおちを押さえた。以下、妻の主張だ。

・仕事絡みの人間だけではない。学生時代の友人や、かつてのママ友からの年賀状が半数だ。
・仕事絡みといっても皆かつての生徒さん。私はあなたと違い、仕事とは関係なくプライベートでも付き合ってきたから、元生徒さんといまだにつながっている。
・あなたには再三「ひと言でも何か書いたら?」と進言してきた。それを無視した結果が7枚。部下にはまるで無言のパワハラのような年賀状が届いていたに違いない。
・あなたの不義理な元部下は、現役の上司にちゃんと義理立てしている。心配しなくてもよい。
・スマホで新年の挨拶をすませる時代はすでに来ている。何年も前に「減らしてはどうか」と提案したのに、譲らなかったのはあなただ。
・夫の年賀状など請け負った自分がバカだった。来年から、私個人名の年賀状を作成することにする。あなたの分はどうぞ自由にやってほしい。

夫婦の年賀状格差など本来たいした問題ではないだろうが、林田さんのいじけ癖はしばらく抜けそうにない。

取材・文/大津恭子
出版社勤務を経て、フリーエディター&ライターに。健康・医療に関する記事をメインに、ライフスタイルに関する企画の編集・執筆を多く手がける。著書『オランダ式簡素で豊かな生活の極意』ほか。

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